楽天 19年1―6月期/流通総額は13.8%増/自社物流強化し、成長率向上

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む
決算説明会で新戦略を話す三木谷浩史社長

決算説明会で新戦略を話す三木谷浩史社長

 楽天の19年1―6月期(第2四半期)における国内EC関連事業の流通総額は、前年同期比13.8%増の1兆7936億円だった。宅配クライシスが顕在化する中、自社物流サービスの拡張により、成長率が向上している。決算説明会では三木谷浩史社長がグローバルでの成長戦略「Rakuten Galaxy Strategy(楽天銀河系軍団)」を発表した。
 19年4―6月期(純第2四半期)の国内EC流通総額は同14.5%増となっており、成長率が5.1ポイント改善している。
 三木谷社長は、「18年は(国内EC流通総額の)前年同期比の伸び率が1桁に落ちることもあったが、この第2四半期は14.5%まで伸びている。自社配送や倉庫の強化が奏功している」と話す。


■世界では25%増

 グローバルの流通総額も大きく伸長している。18年の年間流通総額は、前期比18.4%増だったが、19年4―6月期(純第2四半期)は前年同期比25.0%増になった。
 「Rakuten Galaxy Strategy」では、モバイルネットワークのサービスを海外展開する構想を明らかにした。今年10月の携帯キャリア(MVO)事業の開始に向けて、完全仮想化による次世代モバイルネットワークを構築。このネットワーク技術は世界的にも先進的であり、海外から技術提供の引き合いが来ているという。
 「新しいネットワークは、ネットワークの意味合いを変えていく技術だ。MVO事業で低価格、大容量、高速なサービスを提供するだけでなく、AWS(アマゾンウェブサービス)のようなネットワークサービスをグローバルで展開していく」(三木谷社長)と構想を述べた。


■店舗約半数と対話

 「楽天市場」で来年2月以降の導入を検討している送料無料ラインの統一化については、出店者に根気強く理解を求めていくと説明した。
 武田和徳副社長執行役員コマースカンパニープレジデントは、「タウンミーティングという形で店舗の皆さんと対話する場を設けている。店舗の40~50%とは直接話をできると思う」と対話を進める方針を説明した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ