日本珪素医科学学会/臨床の進捗など報告/150人参加の学術発表会開催

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愛知医科大学の先制・統合医療包括センターの福沢嘉孝教授

愛知医科大学の先制・統合医療包括センターの福沢嘉孝教授

 珪素に関する学術研究を推進する日本珪素医科学学会(事務局東京都)は5月12日、第35回学術発表会を新大阪丸ビル別館で開催、水溶性珪素を研究する医師や学識経験者、珪素商品の販売会社の関係者ら約150人が詰めかけた。愛知医科大学の先制・統合医療包括センターの福沢嘉孝教授が、水溶性珪素に関して進めている臨床試験の進捗を報告したほか、もみ殻由来珪素の研究を進めてきた、富山県立大学工学部工学科の立田真文准教授の講演も行われた。
 福沢教授の講演では、現在進めている臨床試験の設計や進捗について報告、「順調に進んでいる」ことを報告した。「現在統計解析中だ」と説明。解析の終了を受け、論文をまとめる考えだと話した。
 立田准教授は、「『籾殻珪素=非晶質』の誤認識がもたらす危険と籾殻珪素の物性」をテーマに講演。(1)珪素はシリカ(二酸化珪素)として存在するのが通常であること(2)シリカには結晶質と非晶質の2種類があること(3)結晶質か否かはX線を当てる検査を行わないと分からないこと(4)結晶質シリカにはアスベストと同様に発がん性があること(5)植物由来だから非晶質とはいえないこと(6)鉱物から特殊製法で製造した水溶性珪素「umo(ウモ)濃縮溶液」や、もみがら由来の「plant umo(プラントウモ)濃縮溶液」は非晶質であることが確認されていること─などを、順を追って説明した。
 さまざまな飲料に溶かしたときの、シリカの状態が重要であるとの認識も示した。その上で、珪素の食品は「きちんとした、信頼できるところから調達しないと大変なことになる」と話した。
 同発表会では他に、大阪産業大学の講師を務める有川晴彦氏が、白内障に関する事例を報告。一般財団法人UNI H&H大学院の齊藤美雪理事が「教育に珪素を導入した取り組み例と実践結果」について報告した。
 齊藤氏は講演で、水溶性珪素の他、音楽療法や呼吸法などを生活に取り入れてもらった事例を報告。その結果、「94%の人に、体感が生まれた。思考と運動の両方に影響を与えていることが分かった」などとした。
 課題は「データ化」だとし、「より精度の高いデータを今後取得していきたい」と話した。

富山県立大学工学部工学科の立田真文准教授

富山県立大学工学部工学科の立田真文准教授

関係者ら約150人が詰めかけた学術発表会の様子

関係者ら約150人が詰めかけた学術発表会の様子

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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