一蔵 19年3月期/振袖受注が好調、増収減益に/成人式前撮り写真撮影が伸長

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あいさつする河端義彦社長

あいさつする河端義彦社長

 一蔵の19年3月期における和装事業の売上高は、振袖受注が増加したことから前期比8%増の122億7500万円になった。グループ店舗内外で開催した展示会での販売が好調だった。連結業績では、ウェディング事業が不振で増収減益となった。
 和装事業のセグメント別業績は、振袖や呉服の「販売」が前期比7.4%増の62億2100万円、「レンタル」は同10.4%増の18億1300万円、「加工」が同2%増の13億4100万円、「写真」は同13.2%増の22億8100万円、「その他」が同3.2%増の6億1700万円だった。和装事業の受注高は同7億円増の126億円だった。
 「販売」のセグメントでは、振袖が約67億8000万円、呉服が約53億円、店舗「いち利」とのOtoO(EC)事業「いち利モール」が7億7800万円だった。
 グループで計124回開催した展示会販売が奏功。振袖受注が増加したことに伴い、成人式の前撮り写真撮影の売り上げが大きく伸びた。
 子会社の京都きもの学院と共同で開催した催事は夏冬の2回実施し、計2億円を売り上げた。
 店舗は前期よりも9店舗増やし、157店舗体制に、子会社の京都きもの学院は4店舗増の79店舗に増やした。
 「振袖」のダイレクトメールを発送先の確保するための施策として行っている17~20歳の女性向けウェブコミュニティ「SAKURA学園」の会員は、18年3月末比で約1万人増の3万2000人と順調だった。20年3月末で4万2000人の会員獲得を目指す。また、一蔵が運営する「学祭サークル応援NAVI」の会員にメルマガを配信するなど「振袖」の見込み客の開拓を進めた。PB商品の販売も好調に推移。目標に対して26%増の2523着だった。
 20年3月期における和装事業は、振袖市場の3割獲得を目指すことを経営目標に掲げ、ウェブマーケティングを活用して販売対象となる18~19歳のリスト獲得を目指す。
 知名度を高めることを目的にオウンドメディア「SAKURA学園」の会員数を4万2000人、子会社の「Chouchou(シュシュ)」で、インフルエンサーやSNSマーケティングで会員を増やす。
 展示会販売については、小規模催事から2000万円規模まで幅広く開催し、受注を増やす。
 子会社の京都きもの学院とのシナジー効果も狙う。生徒数を増やすことで着付け教室の増加や特別講座などのカリキュラムを充実させて呉服販売の増加を目指す。
 20年3月期における和装事業の売上高は同5.6%増の129億6400万円、営業利益は10.3%増の10億9700万円を見込む。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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