【ECになだれ込むスマホ決済】 「メルペイ」「ペイペイ」も参入

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メルペイの遠山義幸マネージャー(写真左)とクルーズショップリストの稲垣剛之取締役

メルペイの遠山義幸マネージャー(写真左)とクルーズショップリストの稲垣剛之取締役

 キャンペーン競争が過熱するスマホ決済がECサイトの決済市場になだれ込んできた。メルカリグループの「メルペイ」は5月29日からEC決済を開始。ソフトバンクとヤフーの合弁会社が提供する「PayPay(ペイペイ)」は6月から、ヤフーショッピングやヤフオク向けに決済機能を提供する。リアル店舗への導入を加速するスマホ決済が、EC向けにもサービスを提供することで利用促進を図る。「楽天ペイ」や「Amazon Pay(アマゾンペイ)」は、EC決済から導入を進め、最近はリアル店舗への導入を進めている。各社は今後もキャンペーンを強化すると見られ、スマホ決済を導入したECサイトの利用促進にも寄与しそうだ。

■メルカリ売上金で決済

 フリマアプリ「メルカリ」の決済サービス「メルペイ」を提供するメルペイ(本社東京都、青柳直樹代表)は5月29日、EC事業者向けに決済機能の提供を開始。第1弾としてファストファッションのECモール「SHOPLIST(ショップリスト)」へ導入した。
 「メルペイ」は「メルカリ」の売上金を使って決済できるスマホ決済サービス。銀行口座からチャージしたり、後払い決済で支払ったりすることも可能。これまでは「メルカリ」や対応しているリアル店舗のみで利用できたが、今後は導入したECサイトでも利用できるようにした。
 「メルペイ」を利用していて、非接触決済サービス「iD」に登録したユーザーは100万人を突破。「メルカリ」の月間アクティブユーザーは1300万人おり、「メルペイ」の潜在ユーザーの規模は大きい。


■新規顧客獲得に期待

 第1号の導入先となった「ショップリスト」を運営するクルーズショップリストは、「『メルペイ』の導入をきっかけに『ショップリスト』を利用する新規顧客が増えることを期待している。一方、既存ユーザーでも『メルカリ』の売上金が使えるようになったことで『ショップリスト』の利用頻度や購入単価が上がる可能性もある」(稲垣剛之取締役)と話す。
 メルペイは「『ショップリスト』さまの次の導入先も決まっている。EC事業者さまからの導入希望を受け付け、順次対応していきたい。将来的にはカートシステムなどとの連携も視野に入れている」(オンラインビジネスデベロップメント・遠山義幸マネージャー)と話す。
 今後はリアル店舗に加えて、ECサイトへの導入も加速する。すでにリアル店舗向けに135万店への導入が決まっているが、年内にリアルとECで合わせて200万店以上への導入を目指している。


■遅れて6月に対応開始

 ソフトバンクとヤフーの合弁会社であるPayPay(ペイペイ、本社東京都、中山一郎社長)は6月3日、スマホ決済サービス「ペイペイ」をECモール「ヤフーショッピング」とオークションサイト「ヤフオク」に導入する。6月18日からはアスクルが運営する日用品のECサイト「LOHACO(ロハコ)」にも導入する予定だ。

(続きは、「日本流通産業経済新聞」5月30日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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