〈総務省・ふるさと納税〉 泉佐野市などの除外を発表/商品供給企業の売上に影響か

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佐野市のHPには、1100品目を超える返礼品が掲載されている

 総務省は5月15日、大阪府泉佐野市を含む四つの地方自治体を、ふるさと納税制度の対象から除外すると発表した。6月1日から、泉佐野市などにふるさと納税の寄付を行うことと返礼品を受け取ることができなくなる。楽天市場などで売り上げを上げるEC企業も、泉佐野市にふるさと納税の返礼品として商品を供給している。「泉佐野市のふるさと納税からの除外は、売り上げに大きく影響する」(ヤッホーブルーイング)といった声もある。
 19年3月に成立した地方税法等の一部を改正する法律では、一定の基準に適合した地方自治体を総務大臣が、ふるさと納税制度の対象として指定する仕組みを導入した。自治体を指定する制度は6月1日に施行される。
 指定制度の基準としては、「返礼品を送付する場合には、『返礼品の返礼割合を3割以下にすること』『返礼品を地場産品とすること』のいずれも満たす地方自治体」を挙げている。総務省によると、今回ふるさと納税制度の除外となった地方自治体は、「法改正で示した基準を満たしていなかった。告示で示した『他の地方自治体に比して著しく多額の寄付金を受領した』にも該当した」(自治税務局市町村税務課)ことが除外の理由だとしている。
 泉佐野市が運営するふるさと納税サイト「さのちょく」では、ギフト券などのほか、海産物やお菓子、ビールなど、泉佐野市以外に本社を置く企業の商品が、返礼品として多数掲載されている。泉佐野市は全国でもふるさと納税の寄付額が最も高く、17年度の寄付額は、16年度の約3.8倍の135億3200万円だった。
 同市は、総務省に反発し、直営のふるさと納税サイトで「300億円限定キャンペーン」を実施している。5月31日までに、寄付金額300億円を募集する考えだ。返礼品としてアマゾンのギフトカードなども用意。寄付額に対する返礼品の割合も、以前より大幅に高めている。
 地ビールの定期便がふるさと納税の返礼品として掲載されているヤッホーブルーイング(本社長野県)では、「泉佐野市のふるさと納税経由の売り上げは大きく、当社の業績にも影響する」(広報)としている。ふるさと納税の支援を行う企業では、「海産物などの商品を泉佐野市に供給するメーカーについても、ヤッホーブルーイングと同様の影響が出るのではないか」(同社社長)と話している。
 泉佐野市以外の地方自治体でも、ふるさと納税の返礼品の選定が厳しくなっているという。自社の商品を地方自治体に供給するEC企業からは、「加工場所が市外だと、自治体が商品として受け入れなくなってきている」(干物EC企業)といった声も聞かれる。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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