ヤクルト本社 19年3月期/連結業績、過去最高を更新/YL訪販減収、化粧品は増収に

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 ヤクルト本社の19年3月期における、乳製品と化粧品の合計売上高は前年同期比0.1%減だった。ヤクルトレディ(YL)が扱う宅配専用商品「ヤクルト400類」の販売本数は、豪雨や猛暑の影響で同2.5%減、販売本数は1日あたり346万本で前期よりも9万本減少した。
 連結業績は、ベトナムやインドなどアジア地域が好調で増収増益となり、過去最高を更新した。
 宅配チャネルでは、今年1月に発売20周年を迎えた「ヤクルト400」「ヤクルト400LT」について、既存顧客への継続飲用の促進と新規顧客獲得に努めた。19年3月期末時点でのYL数は18年9月末時点と比べ532人減の3万3848人。ヤクルトビューティー(YB)は前年と変わらず4900人で推移した。
 ウェブ注文の「ヤクルト届けてネット」は、18年9月から対象エリアを全国に広げたことで、YLが接点を持つことができなかったオートロックマンションの居住者にアプローチできたという。会員数は3万6000人、1日平均の販売本数は4万6000本に達している。20年3月期末に約6万人の会員獲得を計画している。テレビCMの効果もあり、関東圏のみで19年4月は前月と比べて1・8倍に伸びた。
 化粧品については、乳酸菌研究から生まれたオリジナル保湿成分「S.E.(シロタエッセンス)」の「価値普及」を重点に置いた戦略で「内外美容」の実現と愛用者数の増大に努めた。
 具体的には、18年5月に薬用はみがき剤「ヤクルト薬用アパコートS.E(ナノテクノロジー)」、11月には、美容液「ビサイクルリフトリペアエッセンス」を、今年3月には、高保湿美白基礎化粧品「リベシィホワイト」シリーズを刷新したことから、化粧品の売上高は同3.6%増の67億700万円だった。
 20年3月期は、YLのブランディングに焦点を当て、保育所の認知拡充に加え、「ヤクルト届けてネット」の普及に努める。YL数を確保するための、積極的な投資を進めることで労働環境の改善に力を入れる。
 松井裕一郎宅配営業部長は「YLの採用については、テレビCMやネットを活用したグループ総動員で、今年夏から秋にかけてキャンペーンを実施する。一度退職した販売員が復職するケースも散見されるため、現在のYLからの紹介を通じた人材確保にも目を向けていきたい」と話している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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