〈国土交通省・経済産業省〉 法整備視野に議論/JP、アマゾンが置き配事例を紹介

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国交省と経済省は3月25日、「置き配検討会」の第1回会合を開いた

国交省と経済省は3月25日、「置き配検討会」の第1回会合を開いた

 国土交通省と経済産業省は3月25日、再配達削減策として置き配について議論する「置き配検討会」の第1回会合を開いた。会合では日本郵便(JP)やアマゾンジャパン、東京海上日動火災保険が、置き配の取り組み事例や今後の方針を紹介。検討会は置き配普及時の法整備も視野に、盗難対策といった課題について議論を重ねる。
 会合の冒頭、国交省は「置き配は、直接的に再配達削減になる有力な方法だ。委員の皆さんが抱く共通の悩みや課題、置き配を進める上での考え方について率直な意見をいただきたい」(物流政策課・山田輝希課長)と話した。
 アマゾンジャパンは都心の一部エリアでテスト実施している置き配の状況や課題、今後の方針を紹介した。JPは不在通知を送るサービス「e受取アシスト」を解説。置き配バッグ「オキッパ」を開発したYper(イーパー)と実施した、置き配の実証実験に基づく課題も共有した。
 同検討会は昨年立ち上げた「宅配事業とEC事業の生産性向上連絡会」が母体となっている。連絡会には「置き配検討会」の委員にもなっているアスクルやオルビスといった通販企業が参加。再配達削減といった課題の解決策を議論し、昨年11月に再配達削減策の事例集を公開した。
 国交省は「宅配便事業者と通販事業者の間には、宅配運賃をはじめとした利害関係がある。行政が中立の立場として介在する意義はある。置き配が受け取り手段として広く普及すれば、行政側が法的な整理をすることもできる」(山田課長)と説明する。
 国交省は法的な整理として、宅配便運送約款に置き配についての記載を盛り込むといった選択肢があるとしている。
 アスクルは「置き配はお客さまの利便性向上と、宅配業務効率化の両立が期待できる。ただ、サービスを提供しているEC、宅配便事業者が限られ、広く周知・普及される状況にない。行政とEC、宅配便事業者が協力し、盗難など置き配のリスク対策の検討、事例を共有することは、非常に有意義だと感じている」(執行役員ロジスティクスフェロー・池田和幸氏)と評価する。
 検討会は今後、6月末までに3回程度開催する方針。事業者によるプレゼンを重ね、置き配の課題などを整理する。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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