【大手ECモールの自社配送戦略】 アマゾン、置き配をテスト/ショップリストも自前化に着手

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大手モールの自社配送強化策

大手モールの自社配送強化策

 大手ECモールが自社配送サービスの強化策を続々と実施している。アマゾンジャパンはこのほど、配送の際に「置き配」を選択できるサービスを試験的に実施していることを明らかにした。ファッションECモール「SHOPLIST.com(ショップリスト)」は、グループ会社が宅配サービス会社を買収し、配送の自前化に着手する。楽天も自社配送を強化するため、自動配送ロボットの導入などを発表しており、大手ECモールが自社配送を強化する流れはさらに加速しそうだ。

限定的に置き配

 アマゾンジャパンは、ECサイト「Amazon.co.jp(アマゾン)」において、玄関や車庫などに購入商品を置いて届ける「置き配」サービスをテストしていることを明らかにした。同社によると「試験的に実施していることは確か。今後のことは何も言えない」(広報)と言う。
 「置き配」サービスは、一部地域限定で提供しており、在宅・不在にかかわらず指定の場所に商品を配達する。受け取り時にサインは不要。アマゾンジャパンが発送し、アマゾンの配送を請け負う複数の配送会社(デリバリープロバイダ)が配送する商品が対象となっている。
 「置き配」サービスの対象商品を注文する際、「宅配ボックス」「玄関」「ガスメーターボックス」「車庫」「自転車のかご」「建物内受付/管理人」から配達先を選択できるようにしている。
 楽天は昨年から、自社配送サービス「Rakuten Express(ラクテンエクスプレス)」で「置き配」サービスを提供している。アスクルも昨年8月から一部地域で「置き配」に対応。日本郵便は今年3月から「置き配」サービスを実施する。
 「置き配」に対応する事業者が増える中で、アマゾンジャパンもサービスのニーズを確かめるために試験的に提供しているようだ。


宅配会社を買収

 「ショップリスト」を展開するクルーズショップリストの親会社であるクルーズは18年11月、配送サービスを展開する日本エリアデリバリー(JAD、本社東京都、細谷将広社長)を子会社化した。「ショップリスト」の配送を自前化することでコスト削減を図る。
 JADは関東圏や主要都市で宅配サービス「JAD宅配急便」を提供している。冷蔵や冷凍、チルドに対応した「JADクール宅配便」もある。
 独自に宅配システムを開発しており、ドライバーにスマート端末を持たせることで、荷主の細かい指示を伝えたり、GPS通信によって配送状況をリアルタイムに管理したりできているという。
 JADが構築した宅配ソリューションを、「ショップリスト」の配送に生かす計画だ。

(続きは、「日本流通産業新聞」3月14日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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