日本和装ホールディングス 18年12月期/2期連続増収を達成/展示会販売が売り上げをけん引

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 日本和装ホールディングスの18年12月期の連結売上高は、新規顧客向けの販売会が計画通りに推移したことに加え、既存顧客向けの大型販売イベントの客足が伸びたことで前期比7・9%増の56億5900万円となった。増収は2期連続。
 既存顧客向けの展示会販売や産地ツアーは「日本和装でしか味わえない体験」という特別感を演出し、顧客満足度の向上に注力。年間で計13回の展示会販売を開催し、約3億600万円を売り上げた。
 また、今年で11回目を迎えた、きものの着姿コンテスト「きものブリリアンツ全国大会」は、出場カテゴリーを一新。きものの産地をよりクローズアップさせた演出を行うことで、きものの伝統や本来の魅力を発信することに注力した。
 四半期別の展示会販売では、第4四半期に開催した「全員集合・匠の会」「琉球ツアー」「ありがとうの会」に約5200人が来場し、約1億400万円を売り上げた。
 新規顧客の獲得に向けた受講料無料の「きもの着付け教室」は、応募人数が堅調に推移。同教室を修了した生徒が複数回にわたり、ステップアップのための上級教室を受講した。教室継続率が向上したことから、付随する販売会での売り上げも計画通りに推移した。
 18年4月に設立した「日本和装沖縄」は、同年10月から受講料無料のきもの着付け教室を開始。沖縄県内での開講は初めてだが、受講回数15回4カ月間という期間を設定した。また、同社の新業態である卸売事業では、地元沖縄の染色技術を取り入れたオリジナル商品を開発した。
 販管費は同4・4%増の43億3600万円。経費のバランスを重視し、徹底したコストコントロールを行うことで、販売促進費の上昇を抑制できたことも増益につながった。
 19年12月期は、新規受講者募集のキャラクターとして女優の米倉涼子を起用した。「無料」や受講回数が「6回」というシンプルな表現でテレビCMなどを展開する。
 19年12月期の予想連結売上高は前期比0・5%減の55億8400万円、営業利益は同14・6%減の6億1100万円、経常利益は同16・9%減の5億5100万円を見込む。グループ会社の体制や仕組み、オペレーションの構造改革を実施。内部管理体制の強化に伴う採用費や人件費などに投資する計画だ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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