メンズ化粧品通販を手掛ける企業が、アマゾンを販路に事業規模を拡大している。定期通販型で事業展開するHOLO BELL(ホロベル、本社埼玉県、徳山正一社長)は、新規顧客の60〜70%をアマゾンで獲得している。オールインワンゲルなどを販売するZIGEN(ジゲン、本社福岡県、烏山友幸社長)は18年10月、アマゾンに出店。すでに売上高は、主力となる自社ECサイトの3割程度まで拡大している。メンズ化粧品各社は、体臭や皮脂の多さといった男性特有の悩みにアプローチする商品を展開。若い世代を中心に肌をケアする男性が増える中、今後もメンズ化粧品市場は拡大するとみられる。
■20〜30代中心にアマゾンで購入
メンズ化粧品を拡販する上で、男性顧客の多いアマゾンは外せない。
メンズ化粧品ブランド「PROUDMEN.(プラウドメン)」を展開するレノア・ジャパン(本社東京都、松岡潤社長)では、19年3月期における「プラウドメン」のEC売上高が前期比約15%増、アマゾン単体では同17%増加する見込みだ。
「18年8月、アマゾンでの販売形態を卸売りから出品に変更した。それにより、お客さま情報が見られるようになったので、それを基にクロスセルの施策を打ちたいと考えている」(マーケティングDiv.・徳田亜紗美アシスタントブランドマネージャー)と説明する。
ジゲンは20〜30代を主要ターゲットとし、アマゾンで「オールインワンフェイスジェル」(税込3990円)など4品目を販売している。
「お客さまが商品を購入する際、検索するケースは少なくなってきた。『アマゾン』や『楽天市場』で商品を探す行動が増えている。ターゲットの年齢的にもアマゾンユーザーとマッチしている」(烏山社長)と出店の経緯を説明する。
ジゲンの18年6月期における通販売上高は、前年同期比50%増の3億円だった。通販における月間平均売上高は約2000万円。主力製品の「オールインワンフェイスジェル」は全体売上高の約8割を占めている。
地元のバスケットボールチームやフットサルチームとのスポンサー契約も、認知拡大につながった。1000個程度のサンプル品を用意し、試合観戦者に配布している。
ロフトや東急ハンズといったバラエティーショップでも販売を拡大するなど、リアルでのタッチポイント創出に取り組んでいる。
■アフィリエイターにメルマガ配信
新規顧客の多くをアマゾンで獲得するホロベルは、アフィリエイト広告の運用でも新規顧客を獲得している。
アフィリエイト・サービス・プロバイダー(ASP)を通じて月に1回、アフィリエイター向けにメールマガジンを配信。ASPに登録しているメンズ美容に詳しいアフィリエイター約1000人に対し、商品情報を提供している。
(続きは、「日本流通産業新聞」2019年1月24日号で)
〈メンズ化粧品動向〉 アマゾンで新規獲得/臭い・皮脂など悩みにフォーカス
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