ワタミ/中間期売上高は1,6%減/調理済み弁当の食数が前年超え

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決算について発表する清水社長

決算について発表する清水社長

 ワタミの18年4―9月期(中間期)における宅食事業は、調理済み弁当の食数が増加に転じたものの、西日本豪雨や台風などの影響、低価格商品に人気が集まり、顧客単価が低下したことから、売上高は前年同期比1,6%減の186億3000万円、営業利益は同23,3%減の6億8500万円だった。
 18年1月に全国販売した税込490円という低価格の弁当「まごころ手鞠」の販売が好調に推移。1日当たり5万食を販売するなど、期初の計画を6割上回った。利用者の9割は新規や休眠顧客で、顧客の掘り起こしに成果を上げた。その結果、減少傾向だった調理済み弁当の食数は前年同期比2%増で推移し、9月末の調理済み弁当の食数は24万食と増加に転じた。
 販売員「まごころスタッフ」は、5年ぶりに増加に転じ同109人増の7700人となった。応募者を増やすため、ウェブや紙媒体を積極的に使えるよう予算を投下。応募者に対しては、なるべく早い段階で面接を集中的に行うことで採用につなげた。ウェブからの応募者が増え全体的な平均年齢の構成比も若くなり、30~40代前半の子育て層の女性が増えたという。
 今年4月からは報酬制度も見直した。一定数の顧客を同社が事前に用意するか、もしくは一定の報酬(数万円)を固定の報酬にする制度を新設し、営業所長が販売員の適性に応じて判断するようにした。
 そのほか、埼玉県の白岡工場の分割譲渡を実施。自社製造の総菜の外部販売の取り組みが成果を上げられなかったことから見直しを図った。また、弁当容器を変更することで製造工場の衛生管理の向上と配送効率の向上を図った。
 19年3月期末には、「まごころスタッフ」を前年同期比491人増の8070人に、1日当たりの調理済み弁当の食数は25万3000食を見込んでいる。
 11月14日に都内で開催した決算説明会で清水邦晃社長は「宅食事業の減収は一時的なものとみており、スタッフ数が増加すれば増収に転じる」との見方を示した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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