アサンテ 18年4—6月期/営業益17%増に/コンプラ強化が増益に結実

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 シロアリ防除施工を手掛けるアサンテの18年4—6月期(第1四半期)の営業利益は、前年同期比17.0%増の8億7500万円だった。17年1月から強化しているコンプライアンスの強化による営業手法の改革が結実した。同社の営業マンが前期比で2.8%減少しているのに対して、一人当たりの月間売上高が9.7%上昇し、大幅な増益につながった。
 売上高については、同6.6%増の42億9000万円だった。販促活動として、米映画のゴーストバスターズをモチーフにした「シロアリバスターズ」をメインとしたテレビCMの放映や、折込チラシ、ウェブメディアへのバナー広告の出稿を実施したことが、認知度拡大につながったとしている。さまざまな媒体に広告出稿をした結果、同社の繁忙期となる4〜6月期に、消費者から白アリ防除の調査依頼が増加するなどしたとしている。
 こうした広告による認知の拡大と、営業現場でのコンプライアンスの強化が相乗効果を生んだという。
 営業現場では、契約書面や確認書面など7種類の書面を整備。高齢者に渡す「近親者確認書」や、営業に問題がなかったか確認する「チェックシート」を作成するなどしている。「コンプライアンスの強化が、顧客の安心感を生み、新規顧客・既存顧客ともに単価が上昇した」(経営企画室)と話している。
 一方、一人当たりの人件費の増加により、販売費および一般管理費が前年同期比4.6%増の22億6400万円となった。
 19年3月期に向けて、第1四半期は好調な滑り出しを切ったが、猛暑が同社の業績好調に歯止めをかけた。
 同社の18年7月度の月次売上高は、前年同月比3.2%減の13億700万円となった。
 18年4月から6月までは、月次売上高が前年同月比4.8%以上で推移していたが、7月に入って急に減収に転じた。同社では、全国的に例年を上回る気温の高さを記録したことから、訪問営業をする営業マンに、熱中症に気を付けるように促したという。
 台風の襲来も比較的多かったことから、地震対策などの施工も進まなかったとしている。「夏は白アリの行動が活発になる。今後も台風が来ると予報されており、書き入れ時にもかかわらず厳しい状況だ」(同)と話している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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