〈機能性表示食品〉 2団体が資料の事前点検開始へ/現時点で”迅速化”は未知数

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 日本健康・栄養食品協会(以下日健栄協、事務局東京都)は5月7日、機能性表示食品の届け出資料の事前点検制度を開始した。日本抗加齢協会(以下抗加齢協会、事務局東京都)も5月末までに、資料の事前点検を開始すると発表している。業界団体による資料の事前点検の仕組みは、消費者庁が3月末に公表した、ガイドラインの改正で、届け出の迅速化を図るために導入されたものだ。業界内には、差し戻し回数の減少につながると歓迎する声もある。一方で、日健栄協は「事前点検で『不備なし』としても、消費者庁の受理を保証するものではない」(機能性表示食品部)としており、事前点検が迅速化にどこまで結びつくかは、現時点では未知数だ。事前点検の仕組みは、日健栄協と抗加齢協会で、やや異なっている。どちらのサービスを利用するのか、あるいは利用しないのかを、ケースバイケースで判断していく必要がありそうだ。

■「迅速化」を閣議決定

 今回の2団体の動きは、3月28日に行われた、機能性表示食品のガイドラインの改正で、「事業者団体等の事前確認を経た旨届け出てもよいこと」が盛り込まれたことを受けたもの。業界団体による資料の事前点検を活用することにより届け出の迅速化を図る方針は、17年6月に閣議決定された規制改革実施計画の中に盛り込まれていた。
 届け出を経験した事業者からはこれまで、「届け出書類を提出しても2か月後に不備を指摘され差し戻され、出し直しても、また別の不備を指摘され、の繰り返しで、結果的に1年以上受理されない商品もあった」(健康食品OEMメーカー)といった、確認事務の遅滞を指摘する声が多く上がっていた。

■独自のリストで点検

 資料の事前点検については両団体とも、消費者庁が示したガイドラインを基に、独自のチェックリストを作成し、資料に不備がないかどうかを確認する。作成したチェックリストについては、両団体とも消費者庁と共有しており、消費者庁は業界団体が何を基準に書類のチェックを行うかを把握している。
 両団体とも、作成したチェックリストの内容は公開していない。ただ、日健栄協は、「ガイドラインが示している『機能性表示食品の届け出資料作成に当たってのチェックリスト』と、これまで機能性表示食品の届け出を行う事業者にアドバイスをしてきた知見を基に、独自のリストを作成している」(機能性表示食品部)としており、抗加齢協会もベースの考え方はほぼ同様だ。
 日健栄協と抗加齢協会は、「事前点検は形式的な書類のチェックにとどめ、論文の内容などの細かい中身には踏み込まない」という点でも共通している。

■2段階チェックの抗加齢協会

 両団体の事前点検のフローをより具体的に見てみよう。日健栄協は、資料の事前点検の開始前に、点検を必要とする事業者に申込書と同意書を提出してもらう。同意書には「本事前点検は消費者庁の受理を保証するものではない」旨や「全てのチェック項目に不備が認められなかった場合、完了証を発行する」旨が盛り込まれている。申込書の内容を基に、事前の簡単な書類のチェックを行うという。
 申込書と同意書を確認後、事前点検を開始し、原則2週間で、資料に不備があるかないかの通知を行う。資料の不備が認められない場合、「届け出資料事前点検完了証」を発行する。事業者は完了証を届け出資料に添付し、消費者庁に提出する。
 事前点検で不備があった場合、日健栄協は不備の内容を書面で通知。1時間無料で不備の内容についての相談も実施する。事前点検にかかる費用は、会員は税別35万円、非会員は同70万円となっている。同じ商品で再点検を行う場合、会員には同30万円、非会員には同60万円の費用が発生する。
(続きは、「日本流通産業新聞社」5月10日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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