ポーラ17年12月期/営業利益は68%増/海外事業で初の黒字化達成も

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 ポーラの17年12月期の営業利益は前期比68.2%増の285億4800万円だった。シワ改善の薬用化粧品がヒットしたことに加え、高価格帯商品の併売効果も生まれ、大幅な増益となった。これまで同社の課題だった海外事業も初の黒字化を達成した。決算発表と同時に、グローバル戦略を発表、18年以降も中国市場を最重要視する方針を示した。
 同社の17年12月期の売上高は前期比24%増の1440億1200万円だった。路面型サロンのポーラザビューティー(PB)の売上高は同25.5%増の597億6400万円、郊外型サロンのエステインは同24.1%増の659億5700万円だった。従来型訪販と百貨店などを合わせた売り上げは同3.1%増の182億8900万円となった。16年4月から進めている、販売員であるビューティーディレクター(BD)のプロ化により、各サロン店舗の販売効率が向上したことも、増収の要因になったとしている。
 17年1月に発売したシワ改善の薬用化粧品「リンクルショットメディカルセラム」のヒットに伴い、高級化粧品ラインの併売効果が発生したことが、大幅増益につながった。新規顧客の定着が順調に進んでいることも増益要因となった。
 17年12月期の顧客購入単価は、前期比で13.4%増加した。リンクルショット購入者の内、ポーラの他のブランドも購入する人の比率は68%になっており、大きな併売効果が生まれている。リンクルショットを購入した新規顧客による併売効果は約50億円だったとしている。リンクルショットから流入した顧客が、ポーラの商品を2回目以降も購入する割合は30%にまで高まっているという。
 海外事業での売上高は、前期比2倍の約43億円だった。海外事業では、中国国内の百貨店、EC、越境EC事業がそれぞれ伸びたという。今後は、中国を重点的に強化し、海外全体の実店舗数を20年までに現在の3倍に当たる90店舗にまで増やす考えだ。インバウンド顧客が帰国後にポーラの商品を現地でも購入するケースが増加しているという。こうした顧客の取り込みのため、実店舗の高級ショッピングモールへの出店やECを加速させたいとしている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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