消費者庁/機能性表示食品に措置命令/「葛の花」商品販売16社に

会見で説明する消費者庁の大元慎二表示対策課長

 消費者庁は11月7日、「葛の花エキス」を配合した機能性表示食品を販売する健康食品販売会社16社=表に、景品表示法に基づく措置命令を行った。16社の販売する19商品について、運動や食事制限をしなくても摂取するだけでダイエット効果が得られるかのようにうたっていたが、表示を裏付ける合理的な根拠はないと消費者庁は判断、優良誤認表示に当たると認定した。機能性表示食品が措置命令を受けるのは初めて。

 消費者庁は、不実証広告規制(※)に基づき16社に対し根拠資料の提出を求めた。16社はそれぞれ、機能性表示食品の届け出資料を根拠資料と提出したが、「提出されたエビデンスは、通常よりも一日当たりの運動量が多く、しかも一般的に軽度の肥満とされるBMI25~30の人を対象にしたヒト試験の結果だった。『誰でも容易にダイエット効果が得られるかのような表示』の根拠としては認められないものだった」(表示対策課大元慎二課長)としている。また、「ズボンがぶかぶかになっている写真などを掲載しているケースもある」(同)とし、違反認定の根拠としている。消費者庁では「外見上、身体の変化を認識できるまでの腹部の痩身効果が得られるかのような表示」の根拠がないと判断した。「根拠論文に示されている結果は、12週間摂取して体重が約1キログラム減少したり、ウエストが約1センチメートル引き締まったりするにとどまっている。これらは、通常の1日の変動範囲の域」(同)などともしている。
 加えて、CDグローバルについては、「予想を大きく上回る注文があり、生産が追い付いていない」などとする表示についても優良誤認にあたると認定された。「具体的な販売予想をたてていたわけでもなく、表示期間中における注文数は僅少だった」(同)としている。
 16社に対する措置命令の内容は(1)一般消費者に対する誤認排除措置を講ずる(2)再発防止策を講じ、役員および従業員に周知徹底する(3)今後同様の違反行為を行わないーーーの3点。ただし、(1)の命令の対象は太田胃散、オンライフ、CDグローバル、全日本通教の4社のみ。他の12社は日刊紙に社告を掲載したり、ウェブサイト上で、「お詫び」の文書を掲載したりして一般消費者に対する誤認排除措置をすでに講じているため除外となった。
12社は社告掲載など、誤認排除措置
 景表法では課徴金の対象期間について、課徴金対象行為をやめた日から6カ月を経過する日までとしている。ただ、「一般消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれを解消するために内閣府令で定める措置をとった日まで」ともしている。12社は日刊紙に社告を出したり、ウェブサイトに「お詫び」を掲載したりすることにより、課徴金の算定期間の短縮を図った可能性がある。
 太田胃散では、社告の掲載などを行わなかった理由について、「対象商品は6月に販売を終了している。そのため、社告は違反が確定し措置命令が行われた場合、公表後に掲載する予定だった。現在、社告掲載の準備中、しかるべき措置を取る」としている。オンライフは、「消費者庁と見解の相違があったため、弁明書を出して確認していたため」と言う。
 ほか2社が社告掲載など誤認排除措置を講じなかった理由についてはコメントを得られなかった。景表法に詳しいある弁護士によると「課徴金の対象になるほどの販売額に至っていなかったことなども理由となっているのではないか」とみている。
 今回の16社に対する課徴金納付命令について消費者庁は「現在調査中」(同)とした。
 今後の販売予定など、各社の対応はまちまちだ。ニッセンは5月12日付で販売を終了し、9月1日から6日にかけて、購入者全員に対し、全額返金対応を行っている。太田胃散は6月に販売を終了しており、今後届け出の撤回を行う予定だという。
 ピルボックスジャパンや協和、ECスタジオ、Nalelu(ナレル)、やまちやは、「商品自体に問題があるわけではないので販売は継続する。届け出の撤回を行う予定もない」とした。一方、スギ薬局やテレビショッピング研究所、CDグローバル、オンライフは「今後、販売を継続していくかは現時点では未定」としている。
 今回の措置命令について行政訴訟に持ち込む考えがあるという企業は、現時点では確認できなかった。なお、オンライフは「社内で調査・検討中」とした。

(続きは、「日本流通産業新聞」11月9日号で)

16社の広告表示に違反を認定した

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