千趣会/通販事業の黒字急務/在庫圧縮、コスト削減徹底

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アナリスト向け中計説明会終了後、報道陣の取材に応じる千趣会の星野裕幸社長

アナリスト向け中計説明会終了後、報道陣の取材に応じる千趣会の星野裕幸社長

 千趣会が10月27日に発表した新たな中期経営計画(中計)は、通販事業の早期黒字化を目指した内容となっている。業績悪化の要因である衣料品の通販事業を抜本的に改革。18年度の通販事業は、徹底した在庫の圧縮とコストの削減で同事業の収支改善に取り組み、19年度以降の成長戦略につなげる計画だ。


■負のスパイラル

 「通販事業は来期、徹底的なコストダウンを行い、赤字体質から抜け出す体制にする」ーーー11月2日、東京・丸の内、千趣会の星野裕幸社長はアナリストを対象に新中計の説明を行った。
 ここ数年の業績不振について星野社長は、売り上げ拡大と収益改善を狙った製造小売業(SPA)への取り組みで、商品の型数が5年間で73%増加したと指摘。規模に合わないロット数の拡大で在庫増加を招き、その処分損で利益が圧迫する負のスパイラル状況に陥った経緯を述べた。
 「中国の工場で1型3000枚を製造しても、ふたを開けてみると500枚ほどしか売れない商品も多かった。残った商品はセールで原価率を押し上げる。そしてさらに残ったものは評価損で償却に回り、結局、商社やメーカーから買い取った方が安い事例も発生していた」(星野社長)
 収支に関するセグメント管理も課題となっていた。以前は各通販カタログ別に営業利益を算出、採算割れのカタログは廃刊やリニューアルを行っていた。しかし、「カタログとECが混じり合う複雑化した中で、セグメントの管理会計ができていなかった」(同)と振り返った。

(続きは、「日本流通産業新聞」11月9日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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