スタートトゥデイ/配送料"自由化"開始/38%が0円に金額設定

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む
購入者が0〜3000円まで配送料を決定できる

購入者が0〜3000円まで配送料を決定できる

 スタートトゥデイは10月1日、ファッションECモール「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」において顧客が商品の配送料を決定できる、通販業界初のサービスを開始した。まずは試験的な取り組みとして行う。10月2日の正午から午後7時に生じた注文の38%が配送料を0円に設定したという。
 同社の配送料はこれまで、購入代金が4999円以上の場合は無料、4998円以下の場合は399円を徴収していた。新サービスでは、購入時に顧客が配送料を0~3000円まで自由に設定できるようにした。設定しない場合は400円を徴収する。
 同社は「これまではお客さまのご都合を聞くことなく配送料をこちらで決めていた。お客さまの気持ちや懐事情に合わせて配送料を決めていただけるようにした」(広報)と話す。さらに、「気持ちの部分では、(社長の)前澤がツイッターでコメントしたように、『運ぶ人と受け取る人との間に、気持ちの交換が生まれれば』という思いもある」(同)と話す。

■逆張りで話題作りか

 多くのユーザーが配送料を低く設定すると、同社のコスト負担が増し、収益を圧迫してしまう。「収益に与えるマイナスの影響が大きければ中止するかもしれない。ただ、今のところ大きな影響はないと見ている」(同)と楽観視している。
 ただ、10月2日の正午から午後7時に生じた注文のうち、99.8%が宅配会社に支払う実質運賃を下回る金額に設定されたという。
 専業通販会社の役員は、「『ゾゾタウン』の出荷単価から勘案すると、以前から配送料を負担していた顧客はかなり少ないと思われ、顧客の値決めによるコスト増への影響は少ないだろう」と見ている。
 スタートトゥデイの17年4~6月の平均出荷単価は8530円で、以前の配送料無料ラインを超えている。
 「大手宅配便会社の値上げ要請を受けて、今秋から配送料の負担額や無料配送の条件金額を引き上げる通販会社が増えている。無料も含めた値決めの導入は話題作りというか、逆張り的な狙いがあるのではないか」(同)と分析する。

■配送問題への行動を称賛

 スタートトゥデイの前澤友作社長は、サービス開始前から「10月1日正午12時より、ZOZOTOWNの送料が変わります。通販・EC業界初の前代未聞の試みになるかと思います。当日を楽しみにお待ちください」と話題を振りまいていた。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月5日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ