消費者庁消費者調査課/"マインドコントロール"が解約理由にも/消費者被害の心理研究始まる

徳島県で行った検討会が、東京都でも中継された

 「マルチ商法のマインドコントロール」を問題視しようとする動きが、消費者庁でにわかに起こっている。消費者庁は9月14日、「若者の消費者被害を心理的側面から研究する検討会」の初会合を開催。今後計6回の会合を開催し、既存の法律が禁止する「不実告知」や「監禁」といった手口では説明できない消費者被害について、「なぜだまされるのか」を調査・研究していくという。研究の結果、「マインドコントロール」が、何らかの形で消契法の取り消し要件に盛り込まれる可能性も否定できない。特商法や景表法といった、その他の消費者関連法規の改正議論に影響を及ぼす可能性もある。ただ、初会合では、消費者庁が想定した会議の進め方を全否定する発言が複数の委員から出されるなど、検討会は前途多難が予想される船出となった。


■「マルチ取引」に警戒の目

 消費者庁が「マインドコントロール」を突然問題視し始めた背景には、「20代」かつ「マルチ取引」に関する相談件数が増えていることがあるという。16年4月~17年3月(16年度)の相談件数は4282件で、5年連続での増加となった。
 民法改正に伴い、これまで20歳とされていた成年年齢が18歳に引き下げられることも、消費者庁の危機感を後押ししたという。成年年齢が引き下げられることで、これまで未成年としての取消権が認められていた18~19歳の、特に大学生について詐欺被害が増えるおそれがあるからだ。消費者庁調査課では「消費者白書が若年層のマルチ取引の相談の増加を指摘していたことや、成年年齢引き下げに伴う議論で、マインドコントロールについて調査の必要性が訴えられたことが、若者の消費者被害に関する検討会を開催する理由になった」(草壁英紀参事官)と話す。
 消費者委員会の「成年年齢引き下げ対策検討ワーキンググループ」が17年1月にまとめた報告書には、「消費者庁は、いわゆるマルチ商法について、大学生等が被害に陥りやすい心理的な背景(例えば『マインドコントロール』等)につき、社会心理学や臨床心理学等の知見を得た調査研究を行うべきである」という一文が盛り込まれていた。

■心理的な要因を理由に解約も

 例えば消費者契約法では、「不実告知」や「監禁」のような、契約が取り消しになる要件が設けられているが、「マインドコントロール」のような心理的な要件は含まれていない。「心理的要因は現在の消契法には盛り込まれておらず、消契法では捉えきれない消費者被害があるのではないか」(消費者庁制度課・増田朋記課長補佐)という問題意識があるという。

(続きは、「日本流通産業新聞」9月21日号で)

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