九州の通販企業/次の一手は「リアル×SNS」/若い女性層の開拓狙う

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「キューサイケールカフェ」外観

「キューサイケールカフェ」外観

 通販王国.九州の企業が、これまでリーチしきれていなかった若年層などへのアプローチに成功するケースが増えている。キーワードの一つとなっているのが、「SNSで拡散してもらえるような物の提供」。キューサイや愛しとーとは、「リアル」の場からSNSによる拡散を促し、若い女性顧客への接点を増やした。インスタグラマーなどSNS投稿者に「写真写りが良い」「SNS映えする被写体」と思わせる〝フォトジェニック〟な場を設けることが成功の鍵となっているようだ。


■キューサイは、戦略的に〝リアルの場〟を用意

 SNSの拡散を促進することによって、若い世代の女性層の顧客開拓を進める九州通販企業が増えてきている。青汁やオールインワン化粧品「コラリッチ」を通販で展開するキューサイ(本社福岡県、神戸聡社長)や、コラーゲン健康食品「うるおい宣言」を主力に販売する愛しとーと(本社福岡県、岩本初恵社長)は、〝リアル〟な場を足掛かりにして、SNS拡散を促進している。
 キューサイは、6月30日から7月9日まで期間限定のポップアップストアを開設、SNSでの情報拡散の状況に手応えを感じているようだ。
 同社が開設したのは、「Q,SAIKaleCafe(キューサイケールカフェ)」。都内・表参道の目抜き通り沿いに位置する同カフェでは、ケール青汁を無料で試飲できる。
 神戸社長はオープン前、同店を開設する狙いについて「利用者にフェイスブックやインスタグラムに投稿してもらい、SNSで情報を拡散してもらいたい」と話していた。同店では、ただ青汁を提供するのではなくSNS映えするような特別メニューも用意した。「ブルーベリーヨーグルト」「りんご酢」「ハーブティー」「甘酒」と青汁をブレンドした「おしゃれ」なドリンクを提供。写真撮影ブースも用意し、利用者のSNS投稿を後押しした。期間中に利用者によるSNS拡散が進み、同店には約1万人が来場したという。
地元貢献のレストランが通販集客に奏功も
 愛しとーとでは、佐賀・唐津に15年7月にオープンしたレストランが新たな顧客接点を生み出している。「レストランに来店↓併設の売店で健康食品を購入↓通販で定期購入、という流れができて、通販の定期顧客も増えている」(マーケティング)と言う。
 同社が、岩本社長の出身地でもある佐賀・唐津にオープンしたのは、野菜や豆腐を中心としたコラーゲン料理のバイキングレストラン「愛しとーと」。地元貢献の意味合いもあるという。これまでに10万人以上が来店しているとしており、「団体客がひんぱんに来店してくれている。例えば、1日かけて唐津や呼子を回るバスツアーのランチなどに当レストランを利用してもらっている」(同)と話す。

(続きは、「日本流通産業新聞」7月27日号で)

カフェでは青汁の特別メニューも用意

カフェでは青汁の特別メニューも用意

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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