JADMA/15年度の相談は15%減/詐欺的サイト関連が減少

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 公益社団法人日本通信販売協会(JADMA、事務局東京都、阿部嘉文会長)は8月5日、2015年度(14年4月~15年3月)の相談内容などを取りまとめた「『通販110番』報告書」を発刊した。JADMAに寄せられた通販に関する相談件数は前年度比14.8%減の5469件だった。詐欺的サイトに関する相談件数の減少が要因だという。
 有名な通販サイトのトップページを模倣して消費者から商品代金をだましとる「なりすましECサイト」など、詐欺的サイトに関する相談は同54.7%減の1043件だった。
 13年度から相談件数は増加していたが、減少に転じた。JADMAがテレビ局や新聞社などに情報提供したことにより、消費者に注意を喚起する報道が増えたことも減少の背景にあるという。
 一方、「モバイル」に関する相談件数は増加した。通販サイトの端末別の相談件数では、「PC」が同32.3%減の2811件だったのに対し、「モバイル」は同59.5%増の485件だった。
 通販各社へのモバイル経由による注文件数は増えている。「スマホは画面が小さいため商品や注文に関する表示をしっかりと読まない消費者が増えていることも、相談が増えた原因」(消費者相談室・八代修一室長)としている。
 PCにおける相談内容では、「商品未着・延着」「電話がつながらない」「返品・交換」などが多かった。詐欺的サイトに関連する相談も目立ったという。
 モバイルにおける相談内容では、「契約・解約」が同101件増の166件、「電話がつながらない」は同29件増の99件だった。
 報告書では、注目するべき特定案件もまとめている。「健康食品及び化粧品の『定期購入』トラブルが急増」「『なりすましECサイト』を含んだ『詐欺的サイト』」「『返品・交換』に関するトラブルについて」など7項目を取り上げた。いずれも非会員が運営する通販サイトで問題となるケースが増えているという。
 「なりすましECサイトに関する相談件数は減少しているが、以前より作りが巧妙な詐欺的サイトも登場している。引き続き注意喚起を呼び掛けていく」(同)と話している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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