〈消費者委員会本会議〉 消契法と特商法の改正で答申/改正法案を今国会へ提出

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消費者委員会は1月7日、第210回消費者委員会本会議を開催し、昨年12月に取りまとめた消費者契約法(消契法)と特定商取引法(特商法)の改正の方向性を提言した報告書の確定版を発表した。同日、本会議後に河野太郎消費者行政担当相に答申した。
 消契法の改正では、過量契約の取り消しを認める方針を盛り込んだ。また、不当な勧誘行為によって結んだ契約を取り消す場合、消費者の返還義務の範囲を現存利益に限定する規定を設ける。
 取消権を行使できる期間も見直すこととなった。現行法では、「追認することができる期間から6カ月」と規定しているが、短期の行使期間を1年間に伸ばすように提言した
 消契法では、広告を勧誘とみなす広告規制案など積み残し課題を踏まえつつ、専門調査会で議論を続け、1~2年以内に第2弾の答申を目指す方針だ。
 特商法の改正では、契約上のトラブルが多い美容医療を規制対象とすることを提言。虚偽説明や誇大広告などを禁止し、消費者のクーリングオフを可能にする。
 河上正二委員長は答申の内容について「残した部分、後退した部分もある。100点満点で60点ぐらい」と一定評価した。見送りとなった広告規制強化案については「広告関連への踏み込みは非常に難しい」と述べた。
 その一方で河上委員長は、法執行の強化や指定権利制の見直しなど、前進した点も多いと指摘。
 消費者庁は、この報告書を踏まえた二つの法律の改正法案を今期通常国会へ提出し規制の強化を目指すこととしている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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