経産省、指示違反で初の告発/購入者への通知義務を果たさず

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

経済産業省による行政処分の指示に従わなかったとして、経産省近畿経産局は、学習教材訪販のアーサー教育社(本社大阪府、中村秀美社長)などを、15年11月18日付で特定商取引法が定める罰則規定の適用を求め、京都府警城陽警察署に告発、12月11日に京都地方検察庁に告訴状を送付したと発表した。特定商取引法に係る指示違反で国が警察当局に告発するのは全国で初めて。
 告発されたのは、法人としてアーサー教育社、ヴィクトリーの2社と、行為者として中村秀美社長の3者。
 近畿経済産業局は、アーサー教育社とヴィクトリーに、「当社の教材を使用すれば、テストで90点以上取れる」などとウソを告げていたとして、15年4月に6カ月間、業務の一部停止を命令。同時に、教材の購入者に対し「そのような効果を裏付ける合理的根拠はないこと」を5月28日までに通知し、近畿経産局に報告するよう指示していた。
 しかし、期日までに指示内容の履行が確認できなかったことから、今回の措置に踏み切った。今後は、改めて取り調べを行い起訴するか不起訴処分にするか裁定を行うという。
 アーサー教育社を巡っては、行政処分後の5月13日に、代表者を含む5人が京都府警に逮捕されていた。経産局では指示が履行できない状況を考慮し、7月末までの報告するよう求めていた。さらに、8月末を期限として「再督促状」を出して履行を促したという。
 経産局は、立ち入り調査で入手した顧客データの資料から指示内容が履行されているかどうかを調査。一部の顧客に通知されていないことがわかり、今回の措置に踏み切った。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ