越境EC企業/メーカーと組み中国市場攻略へ/大手から中小まで積極的に販売支援

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中国への越境ECを行う企業は、商材を持つメーカーとのアライアンスを強化することにより、中国市場を攻略しようとしている。越境ECモール「天猫国際(Tモールグローバル)」に出店しているキリン堂はジャパンゲートウェイ(本社東京都、堀井昭一社長)のヘアケアブランド「レヴール」を販売するだけでなく、購入者に別商品のサンプルを同梱し、次回以降の販売につなげている。同社のように、大手メーカーと戦略的に販売施策を練る越境EC企業もあれば、中小メーカーの中国向け販売支援に注力するEC企業もある。越境EC企業の多くは、通販会社との提携にも積極的だ。通販企業にとっても、すでに実績のある越境EC企業と組めば、リスクを抑えて中国市場に挑戦できるだろう。

販売戦略を一緒に構築
 ドラッグストアチェーンのキリン堂は今年の「独身の日セール」で約4億5000万円を売り上げた。今年は前年よりもメーカーとの協力体制をさらに強化した。
 ジャパンゲートウェイとは特に強固な販売協力体制を築けたことから、「独身の日」に「レヴール」のシャンプー・トリートメントだけで昨年の2倍以上に当たる15万本以上を販売できたという。
 「購入者にはジャンパンゲートウェイのクレンジングシートやハンドソープなど、他の商品をサンプルとして提供した。ただセールに安売りして数を売るだけではなく、メーカーとともに、〝次何を売りたいか〟を考え、戦略的に販売を促進できたことが大きな成果につながったと思う」(新規事業開発部・通販ネットビジネス部長 伊藤雄喜氏)と話す。
 「独身の日」後に、サンプルとして提供した商品がまとめ買いされるケースも出てきており、販促施策の効果も出始めているという。今回のセールの成果をもとに、来年はより積極的な販売戦略をメーカーと練っていきたいという。
 通販大手のアスクルも15年9月に「天猫国際」に出店した。中国の消費者とメーカーをつなぐECプラットフォームとして天猫国際店を活用したい考えで、同11月からは販売を本格化させている。

続きは「日本流通産業新聞」12月10日・17日の合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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