【中国ECビジネス 進出支援会社の業務雑記】連載39 中国越境ECの終焉

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 ひさびさの寄稿ですが、今回は4月8日の税制変更で話題になった、中国越境ECに関してお話します。
 越境ECとは、中国ではハイタオ(海淘)ともいいます。2013年後半から始まったこのハイタオ・ブームは、15年になると日本でも有名な「天猫国際」をはじめ、「唯品会」「聚美優品」「小紅書」などの主要なハイタオ・プラットフォーム企業が業界でのポジションを固める一方、日本の著名なブランドがハイタオでの旗艦店販売を始めるなど、日本でも主要な販売方法として定着しつつあったと思います。
新税制は経過措置
 4月8日から、すでに新制度が実施されています。ただし、中国の保税区や取引先、業界ニュースからの情報によると、この制度は来年17年以降に実施される新しい制度に向けた1年の経過措置であり、業界的には17年に向けて動き出しています。
 端的に言うと、越境ECにおける「保税区モデル」であっても、8月以降は化粧品や食品、健康食品の輸入は、徐々に正規輸入と同じルールが適用され、17年の春以降、正規輸入と同じく運用されるようです。言葉通りに解釈するならば、越境ECにおける「保税区モデル」と正規輸入の違いは、今後は増値税の税率17・0%が減額されて11・9%になるだけかもしれません。
 まだ分かりませんが、極論すると17年の春以降、保税区という制度がなくなるのでは? と思ったりします。4月8日以降、すでに保税区によっては運用方法に違いが発生しており、細かい説明は省略しますが、今までと同じ販売方法ができなくなるといったケースも発生しています。

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月2日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ