【人気ネットショップの裏方事情】連載第74回 「ヘルシーDo」を支援

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北国からの贈り物では、海産物などの北海道産の素材を生かした製品の販売を支援するブランドサイト「HOKKAIDO SHOWCASE(北海道ショーケース)」に力を入れています。ブランドは「おいしいものを食べて、きれいになろう」というのがテーマです。北海道産の素材を生かし、美容・健康をテーマにしたサプリメントの販売にも取り組んでいます。
 4月から「機能性食品表示制度」がスタートしましたが、北海道ではすでに「北海道食品機能性表示制度」(通称「ヘルシーDo」)が13年から始まっています。
 この制度では、企業が提出する申請商品(加工食品)に含まれる成分の研究論文などについて、北海道の食関連機関を主体とした委員会を設置し、学識経験者の意見を聞いて審査します。「健康でいられる体づくりに関する科学的な研究」が行われた事実を認定しており、「機能性表示食品制度」と似ています。現在のところ30品目が「ヘルシーDo」を取得しています。


ECで地元素材を支援

 北海道だけでなく、全国各地に、まだまだ知られていない有力な素材が眠っています。ECの強みは、全国に販路や顧客を広げられることです。
 EC業界は、競争が激しくなっています。差別化を図る商品として、地域の素材を生かした製品づくりを視野に入れていく必要があると思います。
 地元の有効な素材を積極的に製品に付加することで、地域の支援に役立ち、他社との差別化にもつながります。
 当社はもともと北海道産の食品を中心に販売していますが、「北海道食品機能性表示制度」を取得した素材も製品に加え、差別化を図ろうと考えています。
 サプリメントやクッキー、お茶などの商品について有効成分を加えることで取得に向けて動いています。
 ただ、自前のサイトで販売するだけではなく、当社のような、「北海道ショーケース」のようなブランドサイトを作って、アピールすることも一つです。
 円安の影響で、外国人旅行者への消費も期待できます。当社も来日する外国人向けに空港などで実店舗を展開していますが、海外展開をしたいと考えているEC企業には、日本製品の品質の高さを知ってもらうにはチャンスだと思います。
 当社は、カニを中心とした海産物などのイメージが強いですが、ECで北海道を応援するという理念は変わっていません。
 地域振興の一環として「ヘルシーDo」のような制度が全国的に広まれば、ECの役割が大きくなると思います。
 「北海道ショーケース」を活用して、全国のECや産地を支援していきたいと考えています。(隔月1回掲載)


〈筆者プロフィール〉
加藤 敏明(かとう・としあき)氏
 65年北海道厚岸生まれ。東京都立大学卒業後、建築事務所に勤務。ネットショップ「北国からの贈り物」を98年6月にオープン。楽天市場ショップオブザイヤー・ベスト店長賞を4度受賞。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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