【リピートEC 成功の秘訣「真の顧客満足向上とは」】第6回 顧客のライフスタイルに合わせる

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■幅広いLINE活用

 最近、ECサイトのショッピングカートのツールを切り替える会社を多く見かけるようになりました。おそらく、自社の運用方法と、ツールのシステムとのズレを感じている企業が多いのだと思います。
 そんな中、コミュニケーションアプリであるLINEをツール運用の軸に据えたいと考える、リピート通販の会社が増えています。
 電話やメール、DMといったツールが通用しなくなったわけではありませんが、利用者が急速に増えているLINEを利用しようという企業は多いです。また、無料集客アプリのLINE@(アット)や、LINEのアカウントを管理するツールなどを活用する事業者も増えてきています。LINEは顧客に浸透しやすいツールなのです。リピート通販の事業者は、LINEの活用を視野に入れておいた方がいいかもしれません。
 では、どのようにLINEを活用していけばいいのでしょうか。
 現在、多くの健康食品・化粧品の通販会社が興味を示しているのが、コールセンターの代わりとなる、「ONE to ONE(ワントゥーワン)」のコミュニケーションを実現するサービスです。化粧品やサプリメントなどを販売する会社であれば、使い方を示したり、個々のユーザーの悩みに応えたりする相談機能として利用することが考えられるでしょう。
 このワントゥーワンのサービスは、お客さまにとってパーソナルな領域の相談の場合、有人対応が求められます。しかし、「よくある質問」については、自動で応対するボットの対応のほうが効率的だと思います。現在、ボットに有人対応を学習させている段階の企業も多いと思います。
 今後、リピート通販でのLINEの活用は大きく増えてくると思います。


■コミュニケーションの継続

 LINE活用時のデメリットについての対策も考えておく必要があります。代表的なデメリットは、顧客が企業のアカウントをブロックできてしまうことです。ブロックされると、その時点でコミュニケーションが途絶えてしまいます。
 顧客とのコミュニケーションを継続するための一般的な方法は、クーポンの配布といった、お得感に直結する情報の配信です。年齢や性別、地域、趣味・嗜好などで顧客をセグメンテーションし、それぞれの属性に合った有益な情報を発信することも必要でしょう。
 LINEを通じてワントゥーワンのコミュニケーションを提供する場合は、それぞれの顧客に担当のスタッフをつけるなどして、徹底したカスタマーサービスを提供するといったことも考えるべきかもしれません。
 LINEは単なるコミュニケーションツールではありません。商品の閲覧から購買までを、LINE上で完結できるようになっています。お友達登録した時点で、顧客のデータベースを収集することができますし、情報収集の観点でも電話やメールよりかなり有効です。
 LINEの活用が比較的容易であることもあり、一般の店舗ではLINEの活用がかなり進んでいます。リピート通販においても、顧客のライフスタイルに合わせたツールを柔軟に利用していくことが必須といえるでしょう。(つづく)


〈筆者プロフィール〉
 ライフエックス代表取締役社長 工藤一朗

 1980年生まれ、大学卒業後、総合通販のベルーナに入社。入社後すぐに売り上げナンバーワンを記録。その後、東証一部上場企業の営業部長などを経て退社。
 09年にライフェックスを設立し、一貫して通販・ダイレクトマーケティングに従事する。日本通販CRM協会役員兼務。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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