【ネットショップサービスの正しい選び方】13 「アマガミ」情報取集の4T

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■「アマガミ」の意味
 EC向け在庫管理システムを開発するロジザードに亀田尚克氏という敏腕営業部長がいらっしゃるのですが、長らく懇意にさせていただいております。亀田部長は最近、「甘噛み(アマガミ)」という言葉をよく使われる。
 新しい、ちょっとオッと思ったことについては、少しでも仕事上の力を割いて関わってみたり勉強したり、そういった努力のことを「アマガミ」とおっしゃるのですが、新たな価値を生み出し続けるベンチャー企業の心構えとしては言い得て妙。非常にその言葉がしっくりとし、勉強させていただきました。当コラムでは「アマガミ情報収集の4T」と題して、私なりの情報収集ルールについてお話します。
 情報収集を大別すると、「目的が決まった中での能動的な情報収集」と「無意識で行われることの多い受動的な情報収集」の二つが多いのではないでしょうか。新たにECサイトを開店したいからカートを調べる、受注処理を効率化したいから受注管理システムを比較する、といったような情報収集は前者。
 何となく毎日ニュースを見る、「日経ビジネス」や「週刊東洋経済」を読むといったような情報収集は後者といえます。また、前者は短いものでは1日から1カ月、長くても数カ月単位での情報収集。後者については無意識のため時間的な制約はない場合が多いでしょう。

■中間的な情報収集
 スマホの普及でいつでも瞬時に情報収集ができますが、困ったことに二つの弊害ももたらしています。一つ目はいつでも収集できるがゆえに調べなくなること。二つ目は能動と受動の境目がなくなりやすく、意識的に調べているつもりが、いつの間にか興味をたどっていったら「ウィキペディア」を数時間見てしまっていたなど、情報収集の目的が曖昧になってしまうことです。
 日々の仕事に忙殺されると、なかなか情報収集の時間もまとめて作りづらくなりますので、目的が決まった情報収集以外を行いづらく、その状況を続けてしまうと、ある分野の専門家にはなれますが、新しい物事を生み出す際には視野狭窄的になってしまいがちです。
 「アマガミ」の情報収集とは、上記二つの中間に位置する情報収集として位置付けています。

(続きは、「日本ネット経済新聞」9月7日号で)


《著者プロフィール》
株式会社トークロア
 代表取締役 伊藤良
 EC業界歴15年以上の実戦経験豊富な少数精鋭企業アドバイザリー。EC黎明期より大手企業のEC責任者、各種スタートアップ企業の幹部を複数歴任。フロントからバックまでEC経営全般の造詣が深く、業界屈指のECシステム代理店サービス「ECマイスター」の代表を務める。16年3月末には「ECマイスター」のウェブサイト(http://www.ecmeister.com)を開設している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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