【急変!米国EC市場〜「IRCE」公式パートナー速報〜】(上) アマゾンが起こす”地殻変動”

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アマゾンブックスの実店舗

アマゾンブックスの実店舗

 当社は世界最大のECイベント「IRCE(アイアールシーイー)」の公式ライセンスパートナーとなっています。今年も6月5~9日、米国・シカゴで開催された「IRCE」に参加し、日本より数年、先を進んでいるといわれるEC先進国の米国で発信される情報や事例を収集してきました。米国で起きているECの急速な変化から近未来の国内EC市場の〝予測〟も共有します。
 今年のイベントでは、「アマゾンが米国ECの中心へ」という空気を強く感じました。つい先日も「アマゾンが米高級食材チェーン大手のホールフーズ・マーケットを約1兆5000億円で買収することで合意」という大きなニュースが飛び込んできました。米国視察でも必ず立ち寄っていた、独自性のあるスーパーでしたので衝撃を持って受け止めています。
 シカゴの街中でもアマゾンの実店舗「Amazon Books(アマゾンブックス)」を確認し、ECの巨人がリアルチャネルを急速に拡大するという「地殻変動」を実感できました。
 今回の大型買収を含めて、アマゾンが「ECの中心の座を確実にした」と思える状況は、ここ1年で急速に現実味を帯びてきたと感じています。そのあたりの動きも含めて米国ECの最新動向をレポートします。

■検索の6割がアマゾン

 米国における16年のEC市場は、前年比15・6%増の成長となり、ここ3年間で最高の伸び率となりました。
 一方、16年のECも含めた米国の小売市場全体では前年比2・6%増となりました。日本と比べると堅調な動きですが、EC化率が11・7%と日本より高いことも影響して、16年は米国の小売り店舗では過去最大規模で売り場面積がなくなり、17年の閉鎖店舗数は近年最多の8000店舗を超えるのではないかという予測も飛び交っていました。
 この変動の中心にアマゾンがあります。アマゾンは米国EC市場全体の40%を占める売り上げ規模を誇り、成長を支える有料の「プライム会員」は米国の全世帯の49%を占めています。
(続きは、「日本ネット経済新聞」6月22号で)

執筆者略歴:
いつも. コンサルティング 事業部 部長 高木修氏
 いつも.のEC支援部隊を統括する事業部長。部門を統括する傍ら大手企業のEC事業拡大のコンサルティングを中心に、EC多店舗で年商30億円突破の成功プログラムを多数開発。米国在住経験もあり、海外ECモデルの変遷にも精通し、最低年2回は米国視察を行い、米国の小売りおよびEコマースの最新動向も収集・整理して日本での活用を提案している。

米国のEC市場やEC化率の推移

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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