【変わる米国小売~NRF視察レポート~】最終回 モバイル化引き金に起こる劇的な変化

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《「検索性」「簡単さ」が重要》
 今回は、モバイル化を引き金に数年後に小売業に起こる劇的な変化について、全米小売業協会(NRF)のイベントで紹介されていた内容をレポートします。
 NRFの調査結果によると、モバイルで買い物をする人はまだ約30%で、米国においてもモバイルで商品を買うのは面倒だと感じる人が多い現状が分かりました。
 モバイル経由の買い物を増やすためには、検索機能の充実やコンテンツの最適化などは必須です。一方、モバイルユーザーはそれほど価格を気にしていないという調査データがあります。モバイルでは安さよりもさまざまな商品を閲覧できる検索性の高さと、簡単に購入できる仕組みの方が大切なのです。
 こうした「簡単さ」をモバイルで追求していくと、米国ではアプリの重要性が増しています。実際、米国では昨年、自社アプリをリリースする小売りの会社が非常に増えているのです。
 「TOP SHOPLIST(全世界20カ国に展開するファストファッションブランド)」の講演では、「ジェネレーションZ(高校生以下の年齢層を指し、ミレニアル世代よりも若い層のこと。米国では20年に労働人口の4割をこの層が占める)」向けのマーケティングに関する話がありました。
 彼らの多くはPCを持たず、ウェブサイトをほとんど見ません。テキストより写真を大事にし、アプリが大好きという特徴があります。
 彼らがターゲットである「TOP SHOPLIST」は、写真を中心としたコーディネートカタログ「ルックブック」やインスタグラムで配信するコンテンツなどに力を入れています。
 さらにアップルペイやグーグルペイなどのワンクリックで完了できる決済手法も強化しています。親指1本で「簡単に」買い物ができる状態を作ることが重要なのです。

(続きは、「日本ネット経済新聞」2月23日号で)

デジタルサイネージをおいているナイキの実店舗

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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