らでぃっしゅぼーや(本社東京都、国枝俊成社長)の15年2月期の売上高は前期比2・1%増の208億4900万円(本紙推定)だった。ドコモショップやウェブからの集客を強化し、ウェブ経由の新規会員は全体の4割を超えている。営業マンによる対面でのアプローチを組み合わせた営業手法も成果を出している。国枝俊成氏に集客の取り組みや今後の事業展開について聞いた。
営業利益が黒字転換
─15年2月期は増収決算となりました。
増収もさることながら、営業利益が2億500万円(本紙推定)と黒字転換したことも大きいです。(1)時短(2)健康(3)プチ贅沢─の三つをテーマにした商品が前年の実績を超えたことが収益に貢献しました。
「時短」で言えば、「10分キット」の販売が好調です。昨年6種類からスタートして、現在は30種類まで増やしました。当初は、若い母親層を想定していましたが、子どもが独立した2人暮らしのシニア層にも人気が高くなっています。
「健康」では例えば、ココナッツオイルなどの素材を使った商品が売れています。これらは決して安い価格帯ではないので、健康への意識が高く、生活に余裕がある40~50代以上の会員からのニーズが高くなっています。
「プチ贅沢」については昨年末に、5000円ほどのクリスマスケーキが売れました。高島屋のオンラインストアでも販売したところ、ケーキの中で人気が1番でした。これを踏まえると、少し贅沢しても良い物を購入したいという意識が高くなっていると感じています。こうした背景もあり、カタログの紙面の大きさも広げて売り場を広くしました。
─新規会員を獲得するためにどのようなことに取り組んできましたか。
集客方法については、ドコモショップ経由、ウェブからの直接入会・資料請求、訪問営業─の大きく三つがあります。
ドコモショップについては昨年秋に、頒布会形式の専用商品として「らでぃっしゅセレクション」を発売しました。この商品を2~3回継続利用してくれる会員は、当社のオーガニック食品について関心が高いと考えています。こうした会員に、営業マンがアポイントの電話を掛け、自宅で宅配への誘導を図っています。当初の想定通り、契約は順調に取れています。しかし、宅配への誘導については課題がみえてきています。ドコモショップでは、契約件数に応じてマージンが得られる仕組みで、契約につながるような取り組みを当社が提案しています。
─個別訪問営業の成果についてはどうですか。
昨年秋から再開した個別訪問営業が成果を出し始めています。10週間で集中して新規会員を獲得する「リカバロープロジェクト」で、合計1600人の新規会員を獲得しました。訪問営業で獲得できた会員は、顧客単価が高く、さらに定着率が高い。しっかり当社の想いを口頭で伝えることで購入に結びついています。
─黒字転換しましたが、コストの削減も行ったのですか。
当社ではコストの6割が商品原価です。仕入れ先との交渉を続けてきたことに加え、広告宣伝費用もより効率的な配分に変えました。
新規会員は、ドコモショップの利用者、ウェブからの資料請求やイベント出店から流入してきた人、ECなどで「お試しセット」を購入した人たちに対し、後日営業マンが個別訪問することで効率的に会員を増やすことができました。従来のドコモショップでの勧誘では、オーガニックに関心が高い人ばかりとは限らないので、退会するケースも散見し、効率があまり良くありませんでした。
(続きは日本ネット経済新聞 7月9日号で)
【インタビュー】〈ウェブからの集客を強化〉らでぃっしゅぼーや 国枝俊成社長/「時短」「健康」「プチ贅沢」で増収、黒字化
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