【インタビュー】〈「ビー・ストア」閉鎖、新たなビジネスモデルへシフト〉サヴァリ 福田泰志社長/「テストマーケといえばサヴァリ」を目指す

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む
福田泰志社長

福田泰志社長

 ネットでの販路拡大を支援するサヴァリ(本社東京都、福田泰志社長、(電)03―6825―5538)は3月31日、EC事業者向け卸サイト「Bee―Store(ビー・ストア)」を閉鎖した。今後はネット上で販売していないニッチな商品を製造するメーカーの流通支援にビジネスモデルをシフトしていく。新しい事業と今後の展望について、福田社長に聞いた。

ニッチ商品をネットで流通

 ─「ビー・ストア」を閉鎖した理由は。
 今まではネットで売れる商品に絞ってサプライヤーから仕入れていました。しかし、この15年でネット通販の市場は変化しました。2000年頃は商店街の酒屋さんがネットショップを開設して活躍する時代でした。05年頃からは卸業者がネットに参入して、小売業より安く販売するようになりました。その後、さらに安く販売できるメーカーもネットで直販を始めるようになりました。こうした変化の中、当社も売れる商品を集めにくくなり、店舗になかなか商品提案ができなくなったという実情があります。
 ─今後はどのような事業を展開しますか。
 ニッチなロングテール商品を、販売力のある店舗に販売してもらう新しいビジネスモデルを展開します。今までは売れる商品を販売力のある店舗を中心に卸をしていましたが、「売れるか売れないか分からない商品は扱ってもらえない。でも、ネットで拡販したい」というメーカーの売り込みは頻繁に来ていました。売れる商品はすでに販売網が確立していて価格競争が起きているので厳しい競争環境にあります。まだ市場に出ていない商品を、競争力・販売力のある店舗に置いて、ネット上でのテストマーケティングを行っていきます。
 ─メーカーのネット通販参入を支援するビジネスにしない理由は。
 ニッチで面白い商品を製造している下町の小規模な工場などがたくさんあります。しかし、ネット通販の運営をしたり、ネットの顧客対応に専任の人員を配置することは難しいようです。サイトを運営する費用も簡単にねん出できるものではありません。昔からネット通販の運営を丸ごと任せられる運営代行のニーズはあります。ただ、運営代行はマーケティングも請け負うため、費用が高くなってしまいます。まずはネット上で商品のニーズがどれだけあるかマーケティングするために利用できるサービスが求められていると考えました。

(続きは日本ネット経済新聞 4月30日・5月7日合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ