【NTTドコモ パートナービジネス推進部 櫻井稚子アライアンス担当部長】 〈EC事業1年目迎える「dミールキット」〉”ミールキット”認知向上に手応え

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 NTTドコモは今年7月、食品ECのオイシックス・ラ・大地(以下オイシックス)と組んで展開するオリジナルのミールキット「dミールキット」のEC事業のスタートから1年を迎える。新型コロナウイルスの影響で新規会員が急増。利用者が増えた一方で、提携するオイシックスの物流センターのキャパシティーが上限に達したことで会員登録の一時停止を余儀なくされた。NTTドコモのパートナービジネス推進部で、「dミールキット」の責任者を務める櫻井稚子部長に、サービス進捗と新型コロナウイルスの影響などについて聞いた。

■累計20万食を突破

 ─サービス開始から7月で丸1年。進捗を教えてください。
 安定して伸びているというのが私の印象です。トライアルセットを含め、6月12日の時点で累計20万食を突破し、累計3万人以上の会員が利用しています。こうした状況を見ても、ミールキットそのものの認知が高まってきていると考えています。
 ただ、もったいないと思ったのが、新型コロナウイルスの影響で3月末から4月末ごろまで新規会員登録を停止してしまったことです。これは、事業を共同で行っているオイシックスと同様、物流のキャパシティーがオーバーしてしまったことによるものです。3~4月は、新生活ということもあり、年間で最も新規会員が獲得できる時期でもあります。この間、受注を多くいただいておりましたが、ホームページには「注文待ち」の画面を掲載したものの、多くのお叱りをもらい、大きな機会損失につながってしまいました。
 ─コロナの前はどのようなプロモーションを行ってきたのですが。
 当初は、ドコモが持つオウンドメディアを駆使し、プロモーションを実施してきました。ダイレクトメール(DM)によるアナログの販促も取り入れてきました。DMはドコモが持つ子育て層のデータからセグメントし、ミールキットの利用に親和性の高い層に発送しています。
 最も流入が多いのが、ドコモが展開する「子育て応援プログラム」の食に関する関心が高く、時短というキーワードでアクセスをするユーザーが多いようです。
 ─テレワークが広がっています。どのような影響がありますか。
 これまで主婦や子育て層をターゲットに展開してきました。2月下旬以降は、リモートワークが増える中で普段はあまり料理をしない新たな顧客層からの注文が増えているように感じます。
 外食を控えて、より家での食事を充実させるニーズの高まりを捉えたようです。夕食だけではなく、ランチで楽しめる商品のニーズも広がってきました。

(続きは、「日本ネット経済新聞」7月2日号で)

 ※インタビューは6月12日にオンラインで実施


〈プロフィール〉
櫻井稚子(さくらい・わかこ)氏
 13年7月にABCクッキングスタジオ代表取締役社長に就任。社長在任中、料理教室の海外事業拡大に携わったほか、ヘルスフードカウンセラー協会の会長も務め、ヘルスケア事業の拡大に取り組んだ。17年1月にNTTドコモへ入社。19年にスマートライフ推進部食文化事業担当部長としてdミールキットを立上げ。現在はパートナービジネス推進部アライアンスの担当部長として、パートナーのビジネス推進、B2B2Cビジネスの拡大に携わる。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ