【東急 リテール事業部 東急ベル・EC推進グループ EC企画担当 石原裕太郎氏】 〈地域特化型の総合ECを強化〉「御用聞き」を強みに顧客拡大図る

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 東急は、東急線沿線の住民を対象にした食品やギフト、家事代行などのホーム・コンビニエンスサービス「東急ベル」のグループECサイトを刷新し、地域特化型の総合ECを強化している。5年以内に売り上げを、初年度実績(売上高は非公表)の8倍に引き上げる計画だ。ハウスクリーニングや家事代行といった計60種類のサービスを用意し、専門のスタッフが個別訪問して顧客ニーズをつかむ「御用聞き」を強みに顧客拡大を図っていく。リテール事業部の石原裕太郎氏に、地域特化型のEC事業の戦略について聞いた。

■地域限定で差別化

 ─サイトをリニューアルした狙いについて改めて教えてください。
 東急グループとしてECをもっと成長させていくという考えがベースにありました。ただ、EC業界の中では後発にあたり、東急の強みを出せるようなやり方は何かという視点で検討してきました。その中で、東急に親和性の高い東急沿線地域に限定したサービスの提供で差別化を図っていくことを決めました。
 ─地域に特化したEC事業は業界でも珍しいです。
 地域特化型の総合EC「SALUS ONLINE MARKET(サルースオンラインマーケット)」は、現在までに沿線の約170店舗が出店しています。
 東急に対する品質への期待感や信頼性が高いのは東急沿線エリアで暮らす人だと考えました。ECサイトの品質もそうですが、配送の品質という面を考えた時に、目の届く範囲でサービスを提供することが重要です。
 「東急ベル」の配送スタッフ「ベルキャスト」を自前で組織を構えていることもその一環です。東急沿線に住んでいるお客さまが生活する上で必要なものが賄えるようなサービスの提供を目指しています。
 ─「東急ベル」の現状はどうですか。
 2012年からサービスを提供しており、売り上げや会員数は右肩上がりで成長を続けています。当初掲げていたスタッフによる「御用聞き」に対する会員さまからの信用力も高まってきました。例えば、夏の時期にエアコンの調子が悪いという要望があれば、ベルキャストが提携する業者を紹介して対応しています。

(続きは、「日本ネット経済新聞」10月10日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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