【広島東洋カープ 松田一宏代表取締役常務・オーナー代行】〈グッズ販売好調で通販売上高10%増〉通販商品通じ、ファンと”キャッチボール”

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 プロ野球セントラルリーグ3連覇を果たした広島東洋カープ(本社広島県、松田元社長)。年々、チケットの入手が難しくなるなど、熱狂的なファンで有名だが、グッズの販売も好調だ。18年12月期の通販売上高は前期比10.7%増の13億4000万円。毎年2月1日に発行するカタログでは、限定商品を多く取りそろえ、販売開始から最短1分で売り切れてしまう商品もある。今シーズンは、巨人から移籍したばかりの長野久義選手のユニフォーム生産が追い付かない人気ぶりという。「商品を通してお客さまと?キャッチボール?をすることが通販売り上げやアクセス数の増加につながる」と話す松田一宏常務に、通販事業の伸長の背景や商品開発について聞いた。

 ──セ・リーグ3連覇は、通販・EC事業にどのような影響がありますか。
 16年にリーグ優勝した時が売り上げの伸長率は最も高く、年を追うごとに伸びは落ち着いています。17年は16年の優勝効果が続き、前半は良かったですが、その前の年に比べて急激な伸びはありませんでした。
 今年は、背番号が変わった鈴木誠也選手や、今年1月に巨人から移籍した長野久義選手などのユニフォームが売れています。長野選手は、これまでのカープにはないキャラクターを持つ選手のため、ファンからも支持をいただいているようです。特に、長野選手は1月に急きょ入団したため、ユニフォームの生産が追い付かない状況です。中国で生産しているのですが、2月は旧正月の影響もありました。8000円のハイクオリティユニフォームなどは生産に時間を要するため、生産待ちの状況が続いています。何とか開幕に間に合わせるようにしています。昨年は新井貴浩選手の引退もあり、その時はTシャツが売れました。

■とにかく面白いものを

 ──商品開発はどんなところに力を入れているのですか。
 商品開発のコンセプトは”とにかく面白いものを作る”ということです。通販関連の社員は3~4人で構成しており、日々いろんなアイデアを考えています。
 ここ数年は、企業とのコラボ商品の開発にも力を注いでいます。さまざまなメーカーから依頼があるほか、当社がメーカーに声を掛けて製品開発をすることもあります。
 商品カタログは2月1日に発行しています。そのタイミングに合わせてスケジュールを組んでいきます。カタログ発行後も、商品開発を随時進めています。
 顧客層については、ここ3年間で大きな変化はないと思います。

(続きは、「日本ネット経済新聞」3月21日号で)

〈プロフィール〉
まつだ・かずひろ氏
 03年慶応大学卒業後、広島東洋カープに入社。07年から3年間、マツダに出向。13年に広島東洋カープ常務取締役、オーナー代行に就任。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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