【ドゥクラッセ 藤原尚也CMO兼web事業長】ウェブで顧客開拓、新たな成長曲線描く

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 アパレルブランドのDoCLASSE(ドゥクラッセ、本社東京都、林恵子社長)は今年1月、デジタルマーケティングを加速するため、ガシー・レンカー・ジャパン(現ザ・プロアクティブカンパニー)やマードゥレクスなどで活躍した藤原尚也氏を招へいした。アパレルブランド「DoCLASSE」の17年7月期通販売上高は116億円あり、半分近くがECサイト経由の売り上げとなっている。18年7月期はEC売上高を前期比50%増に拡大する計画だ。デジタルマーケティングを強化することでカタログよりも若い40〜50代の顧客層を開拓し、新たな成長曲線を描く。藤原氏にデジタルを駆使した成長戦略を聞いた。

 ─ドゥクラッセに参加した経緯と役割は。

 林社長とは面識がありました。ウェブを強化するにあたり、まとめ役を打診されました。
 ドゥクラッセはもともと、新聞広告で集客し、カタログを送り、電話で注文を受けるモデルのため、顧客の年齢層は比較的高い。現在の主要顧客は60〜70代ですが、今後の成長曲線をどう描くかを考えると40〜50代のターゲットをどうつかまえていくかが重要になります。40〜50代はライフスタイルが多様で、生活に余裕も出てきて、購買力があります。
 ウェブを強化することで広告費も変わってきます。新聞広告は決して安くはありません。カタログも送り続けるのにはコストがかかります。カタログは一度完成すると内容を変更できませんが、ウェブは変更できる利点があります。全部ではありませんが、事業モデル的にデジタルにシフトしていく必要があります。

 ─ウェブはどのように強化していくのですか。

 買いやすさや商品の見やすさなどを根本的に見直したいと思っています。8月にECサイトをリニューアルします。新しいサイトでは、商品をどう見せるかにこだわります。現状は商品画像があって、下の方にサイズなどのスペックが出ていてという一般的な見せ方ですが、リニューアル後はサイズやカラーなどの情報はオーバーレイでスクロールしてもずっと表示されているデザインにします。
 商品を着用しているスタイルを多く見せたいと思っています。正面だけでなく、横からの画像や引いて全体が分かる画像などを掲載していく予定です。スタイル提案はこれまでカタログでこだわってきた部分です。長年培ってきたノウハウを、デジタルで表現していくことに重きを置いています。
 動画も本格的にやりたいと思っています。商品の質感や軽さを見せるには動画が効果的です。動画でECサイトとインスタグラム(インスタ)の連動性を強める狙いもあります。


■アプリはクーポンから

 ─「Karte(カルテ)」を導入し、LINEやアプリを活用したCRMも強化するのですね。

 毎週のように特集企画を作り、メールでお伝えし、リマインド的なコミュニケーションの取り方としてLINEやアプリのプッシュ通知を活用しています。お客さまがコンテンツに気付いて、どこの媒体からでも利用していただければ良いと思っています。異なる媒体を駆使して、コミュニケーションの接触頻度が高まることが効果を高めることは分かっています。

(続きは、「日本ネット経済新聞」5月31日号)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ