【〈次の越境EC戦略を聞く〉BEENOS 直井聖太 代表取締役社長兼グループCEO】”ネクストチャイナ”へ物流以外も支援

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 クロスボーダーEC支援のBEENOS(ビーノス)は、海外向けの商品転送・購入代行サービスを提供している。越境EC市場は拡大しているが、閉塞感を感じているEC事業者も多い中、同社の直井聖太社長は「越境ECは中国だけではない」と言う。同社は「ネクストチャイナ」として注目されているインドや東南アジア諸国などのEC関連サービスにも積極的に投資し、海外市場との関係性を構築している。直井社長に物流だけではない、越境EC・海外展開支援の展望を聞いた。

 ーーー日本企業が取り組む越境ECの現状をどう見ていますか。

 EC事業者が「越境EC」と聞いてイメージするのは中国ECです。中国市場に挑戦し、うまくいかずに越境ECを諦めてしまう企業もありますが、もったいないと思います。商材によっては中国以外にチャンスがあります。米国・イーベイの中古品販売のトップ店舗はほとんど日本企業です。在庫を日本に置きながら、中国以外の米国やアジア圏向けの越境ECもかなり伸びてきています。

 ーーー越境EC支援では、商品転送の「転送コム」と代理購入「Buyee(バイイー)」の二つの海外配送サービスを提供しています。サービスの違いと他社と比べた優位性は。

 「転送コム」は物流の問題を解決できますが、「バイイー」は物流と決済の問題を解決できます。「転送コム」の利用企業の多くは、クレジット決済にしか対応していないですが、「バイイー」はクレジットだけでなく、ペイパルやアリペイ、銀聯にも対応できます。当社では「バイイー」を勧めています。
 購入代行サービスでクレジットに対応しているのは「バイイー」だけです。それは不正利用のリスクを当社でカバーしているからです。不正検知の専属チームを抱えています。中国のECモールで販売する際はクレジットの不正利用をあまり気にしなくてもいいですが、自社で海外に販売する場合は気にする必要があります。東南アジアは特に不正利用が多いです。犯罪組織に狙われてしまったら、売り上げの大半が不正利用になってしまうケースもあります。
 カスタマーサポートも強みの一つです。国内であれば配送トラブルや再配達などは、宅配事業者が対応してくれます。海外の場合は誰もサポートしてくれません。通関で商品が止められていても、通知すらしてくれないケースもあります。当社ではそうした事態にも対応できます。


■オンリーワンの運営体制

 ーーー実績が豊富だからこそ実現できている強みはありますか。

 「購入代行サービス」は在庫を抱えていない分、オペレーションのコントロールが難しいです。大手クライアントが入って取扱高が2倍に増えた場合に、倉庫やサービス体制を拡張できる体制がないと対応できません。当社は他社よりも大きな流通を支えているため、安定的にサービスを供給できます。
 4拠点ある倉庫を運営できるシステムを構築しています。複数拠点を前提にシステムを組んでいるので、今後も迅速に拠点を増やすことができます。倉庫は東京と大阪にあるため、地震などの災害が起きても被害を最小限に食い止めることができます。

(続きは、「日本ネット経済新聞」3月15日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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