【イケア・ジャパン マルチチャネルマネージャー アーナー・アイドスクレーム氏】次世代技術への投資を強化

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 イケア・ジャパン(本社千葉県、ヘレン・フォン・ライス社長)は、17年4月に「イケアオンラインストア」を開設した。店舗での購入体験を重視する一方で、AR(拡張現実)など次世代技術への投資を強化することで、店舗とECサイトのシームレス化を図る。イケア・ジャパンでマルチチャネル事業を統括するアーナー・アイドスクレーム氏に、店舗とECサイトの相互活用について聞いた。

■EC事業は好スタート

 ーーーEC事業をスタートしてまもなく1年を迎えますが、手応えは。

 よいスタートを切ることができたと感じています。日本の多くのお客さまと接点を持てたこともそうですが、商品を届けることができてうれしく思います。

 ーーーネット通販と店舗をどう両立していくのか。
 店舗とサイトがつながることで、お客さまの体験がよりシームレスになると考えております。店舗の良いところは、商品を実際に触れて、感じてもらえる点です。知識のある従業員と話すことで、インスピレーションを得て購入に至る場合もあります。
 将来的にはECサイト経由での購入が増えると考えています。店舗に行ったお客さまが、帰宅してから検討し、ECサイトで購入するというようなケースです。あくまで仮の話ですが、新宿や銀座といった都心へ小規模の店舗を出店した場合も、お客さまへの接点が増える意味でチャンスだと捉えています。
 イケアでは、お客さまの目線になって考えることを大切にしています。たくさんの商品の中からお客さまの期待にどう応えて提供できるかということが重要だと思っています。
 店舗には、すごく大きな役目があります。それは、お客さまが来店した時に欲しい商品がすぐに購入できることもありますが、店舗から商品を配送することもあります。リードタイムが短くなり、欲しい商品がすぐに届きます。そういった役割も果たしているのです。
 店舗が全国に9店舗しかないということをプラスに捉えています。コストが発生しませんから。今後はサービス向上のために、テクノロジーへの投資ということが大事になってくるのではないかと思います。

 ーーーどういったテクノロジーですか。

 ECサイトのシステムの改善などです。あとは、顧客情報の管理も重要です。セキュリティー面は特に重視しており、数年前からグローバルレベルで強化しています。システムの強化により、VR(仮想現実)、ARを使い、Eコマースに誘導させるというような、よりクリエーティブな動きが生まれると思います。お客さまがどこにいてもボタン一つでつながるという部分が大切だと思います。その基幹となるシステムなどをしっかりと整えていくことが大事だと考えています。
 お客さまが商品を検討するところから商品をユーザーの元に届けるまでの「エンドトゥーエンド」という部分をイケアでは大事にしています。お客さまがシームレスな購買行動をとれるようにしたいと考えています。

(続きは、「日本ネット経済新聞」2月22日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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