【ルクサ 村田聡代表取締役社長】タイムセール型ECサイトを運営/売上高100億円到達、au会員のハブに

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村田聡 代表取締役社長

村田聡 代表取締役社長

 タイムセール型ECサイトを運営するルクサ(本社東京都、村田聡社長)は10年10月に設立し、17年3月期には売上高が100億円を突破した。従来から運営しているタイムセールサイト「LUXA(ルクサ)」と、KDDIとの業務資本提携を機に15年8月から運営を開始したau会員向けの「auウォレットマーケット」の会員数が年々拡大。サイトの来訪頻度を高める商材の取りそろえと、顧客の好みに合わせて情報を発信するメルマガなどのマーケティングに力を入れている。村田社長に成長の要因と今後の方針について聞いた。

■細かく顧客分析したメルマガ

 ーーーここ数年で商材の幅が拡大しています。

 例えば、春は新生活家電や花粉対策商品を販売するなど、従来から季節性の高い商品を取りそろえてきました。これらに加え、最近は有名飲食店のコースやエステサロンの掲載も増え、モノだけでなくコトの商材も増えています。高級で良質な店や商品を多く掲載できているので、以前より質が上がっています。当社はメディアとしての役割も持つほか、比較的世帯収入の高い人が会員に多いことから、メーカーや店舗から積極的に商品を掲載したいと言っていただける状況になっています。

 ーーーエンターテインメント関連の商材も増えています。

 以前から歌舞伎のチケットなどを掲載していましたが、今は宝塚歌劇団の演劇を当社主催で企画するなど、あまり一般発売されにくいものを取り扱って好評を得ています。このときは予告をせずに販売を開始したにもかかわらず、5分で高いランクの席が完売し、1日で2000席が完売しました。当社が想像するよりも多い頻度でサイトを見てもらえていると思いました。

 ーーーサイトの閲覧頻度を高められている理由は。

 まず、一つの商品の販売期間が1~2週間程度のタイムセールであることが挙げられます。「とりあえず新商品を確認する」という習慣が根付いてきたのだと思います。家電もよく売れていて、有名メーカーからは2月度の実績において全取引先の中で当社が一番売れていると言われました。アマゾンやヨドバシカメラよりも当社が一番売っていたようです。購入後、1週間以内に再びアクセスする比率は8割以上で、少し前のデータでは毎日来訪している比率が3割超、3日以内の来訪率も3割超でした。「auウォレットマーケット」のメール開封率も4割を超えています。

 ーーーマーケティングや販促はどのように行っていますか。

 既存顧客への情報の出し方や告知にこだわり、会員ごとにアプローチの方法を変えています。月間1万人単位で会員が増加しており、「LUXA」は180万人を超え、「auウォレットマーケット」は500万人を超えています。これだけの規模になると、既存顧客向けの施策が重要です。今年からレコメンドエンジンも強化していて、メルマガも会員ごとに表示を変える工夫を施しています。KDDIにはデータを分析する専門部隊がいるので、かなり細かい顧客分析ができるようになっています。データに基づいてメルマガでどの商品をお薦めするか、メルマガの分類もかなり細かく出し分けています。

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月15日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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