【メール配信】導入事例:ラクス「配配メール」/《チチカカオンライン》メルマガ経由がEC売上の2割に

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菊池まや氏

菊池まや氏

 アパレル・雑貨ブランドのチチカカ(本社神奈川県、田中義章社長)はここ数年、メール配信を活用することでEC売り上げを拡大している。17年10月期の売上高は前期比23.0%増の6億円となる見通し。LINEの企業向けアカウント「LINE@(ラインアット)」を活用しているほか、アプリやメルマガからのコンバージョン率がアップしており業績を後押ししている。
 チチカカは全国に95の実店舗を展開。05年7月に自社ECサイトを立ち上げた。ターゲット層は30~40代の女性。コンセプトである「中南米のエスニック」を基にデザインした自社オリジナル商品を販売する。ECサイトでは、雑貨やアパレルなど3000品目を取り揃える。ECサイトの平均顧客単価は6000~7000円。
 業績は好調に推移しており、17年8―10月期(純第4四半期)の売り上げは前年同期比98%増で推移した。自社サイトについては前年実績の2倍となった。15年3月に開始した「LINE@」でクーポン情報などを配信してECサイトに送客。9月にはスマホアプリを開始したことで、実店舗からECサイトに誘導したことが貢献しているという。現在、実店舗で獲得したLINE@会員は20万人を超える。
 サイト作りもテコ入れした。従来は白バックに写真を掲載していたが、商品ごとに背景を変えたことで、ユーザーがイメージしやすくした。また、ECの在庫管理も見直し、顧客の利便性を高めた。


■メール制作、1時間短縮に

 チチカカは17年3月に、ラクスが提供するメール配信システム「配配メール」を導入した。従来のメール配信システムは、コンテンツの制作に時間を要していた。またメールの容量が重く、配信したメールが開きづらいという課題も抱えていた。以前にラクスの「配配メール」を導入していた時期もあったことから、こうした課題を解決する手段として再度ラクスを選んだという。
 メール配信の担当者は2人。ターゲット層の女性が仕事終わりにメールをチェックするタイミングを想定し、19時10分に毎日送信。コンテンツの見せ方を工夫することで飽きさせないようにしている。分析機能を活用し、開封率に課題がある場合はその理由を踏まえてメールを変えている。
 ECサイトの会員である約9万人のうち約4万5000人に対してメルマガで情報を配信。会員向けのメールを毎日行い、セールや新商品、送料無料キャンペーンを告知する。
 「配配メール」を導入後、メール配信からの売り上げが10月度のEC全体の20%を占めた。夏のセール告知メール後は、コンバージョンが全体売り上げの半分に上ったこともあるという。コスト面については、以前のツールの約半分に削減できた。また、従来のメール制作時間と比較して1時間短縮できた。
 こうした状況についてEC事業部の菊池まや氏は「セッションはLINE@からが多いものの、主力となる30~40代はメールに対する親和性が高い傾向にあるのではないか」と分析。「LINE@」は掲載できる写真の枚数も限られるため、コンテンツが充実しているメールへの支持が高いとみている。
 最近では、初回購入者に対する「ステップメール」の活用を開始。リピート購入を促すことでメール配信を有効に生かす考えだ。



《サービス概要「配配メール」》
 ラクス(本社東京都、中村崇則社長、(電)03―6675―3631)が提供するメール配信システム「配配メール」は初期費用1万円で利用ができる。月額利用料が1万円からという低価格にも関わらず、エラー解析やメールの中のURLをいつどのユーザーがクリックしたかなどの解析・改善機能を搭載している。専任のサポートスタッフが付くため、スタートアップのEC事業者からも好評を得ている。

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