《成長請負サービス》成長企業に聞くーーーサックスバーホールディングス/オムニ展開を強化 6月のEC売上高は40%増

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サックスバーEC事業室・曽我明弘室長

サックスバーEC事業室・曽我明弘室長

 バッグ小売りでトップシェアを握るサックスバーホールディングスは、オムニチャネル展開を強化している。17年3月期の全体売上高567億4700万円のうち、EC化率は約2%。直近の6月のEC売上高は前年同月比40%増になるなど成長している。リアルとネットで情報発信や在庫を連動することで相互送客が奏功している。
 ECサイトは自社サイトに加え、モールでは楽天やヤフー、アマゾン、ワウマ、Qoo10、ゾゾタウン、ロコンドに出店している。チャネルや在庫を拡大したことでEC売り上げは急成長した。一方、既存の一元管理システムでは不具合が生じるようになった。
 グループの中核企業・東京デリカのサックスバーEC事業室・曽我明弘室長は、「当社はアクティブな取引先だけでも100社以上ある。一元管理システムをリニューアルする際は、メーカーが直接、EC用の在庫を登録できる仕組みが必須だった。個別のカスタマイズなどにしっかり対応してくれ、コスト面も納得できるシステムは『通販する蔵』しかなかった」と話す。

■「通販する蔵」導入

 15年にソフテル(本社岐阜県、北川輝信社長、(電)058―213―7245)が提供する一元管理システム「通販する蔵」を導入した。POSシステムや倉庫システムとの連携、アマゾンの物流サービスとの連携など、同社の要望をシステムに反映してもらった。
 ECの基盤が整い、リアルと連動するオムニチャネルにも柔軟に対応できる環境を構築したことで、さらに攻めの施策を展開できるようになった。

■リアルと相互送客

 昨年8月には全国に655店(17年3月末時点)ある店頭で20万部配布する情報誌を創刊し、同時にスマホアプリをリリースした。これまではファッション誌などに出稿し、実店舗に送客していたが、独自の情報誌やアプリを配布し、コンテンツや情報配信を連動することでリアルとネットの相互送客を強化した。
 現在、オリジナル商品比率は10%以下だが、コラボ企画などにより独自の商品展開も強化している。今年5月には〝ポケモン〟や〝ムーミン〟などキャラクターとコラボしたスーツケースを販売。
 特に〝ポケモン〟のスーツケースは、広告を打たずにECサイトだけで月間100件以上売れたという。オリジナル商品は越境ECも視野に入れ、拡販を狙う。
 今年8月にはスマホケースやガジェットを収納できるバッグなどスマートライフに対応した商品を集めた店舗ブランド「スマートピープル」をEC先行で展開する。
 拡大する商品流通に対応するため、大型物流倉庫を千葉に新設。現在、約2%のEC化率を早期に3%まで引き上げ、さらに成長させる計画だという。



■柔軟なカスタマイズに強み「通販する蔵」サービス概要
 受注情報や在庫情報、商品登録などECサイトのバックヤード業務だけでなく、ネットとリアルの在庫情報やポイント情報を一元管理できる。基幹システム、POSシステム、倉庫システムなどと連携するための柔軟なカスタマイズ対応も強み。「サックスバーホールディングス」以外にも「Z―CRAFT」「オシャレウォーカー」「テンポスドットコム」など、大手企業やモールの有力店が多数採用している一元管理システム。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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