【EC業務を大幅削減! 〈自動化ツール〉】 〈【インタビュー】 「プロスペクター」の開発背景〉シルバーエッグ・テクノロジー トーマス・フォーリー社長/AIツール提供続け、EC業界の発展に貢献したい

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トーマス・フォーリー社長

 シルバーエッグ・テクノロジーは、ECの黎明期である1998年からレコメンデーションを軸としたサービスを提供している。近年は、AI(人工知能)を駆使し、ECのプロモーション分野でも、よりターゲットを絞ったワントゥワンマーケティングに貢献できるツールの提供を始めている。このほど来日したトーマス・フォーリー社長に、昨年サービスを提供始めたプロモーションツール「プロスペクター」を開発した背景やEC業界の見通しについて聞いた。

 ─シルバーエッグ・テクノロジーの強みは。
 当社は1998年に設立し、AIを使ったレコメンデーションサービスを提供している。独自の行動分析エンジンで1人1人異なる商品を推測する「パーソナライゼーション」を実現し、国内では最も早くレコメンデーション機能を提供したと自負している。現在はサイト内レコメンドだけではなく、プロモーション分野でもサービスの提供を始めている。約20年で、EC企業など300社の企業にサービスを提供している。

 ─ECの黎明期からサービスを提供しているが、現状をどう見ているのか。
 さまざまな技術が進化している一方で、あらゆる人に画一的な商品や情報ばかり届けている状況は続いている。インターネットというのは、本来的にはインタラクティブ(相互に作用する)であって、ワントゥワンで対応するものだ。こうした面が当社のサポートしている部分だ。
 ネット以前、商取引は対面で1対1の取引だった。そのため、お客さまは何が好みか、何を求めているのかを知ることができた。この点は取引の中核であったはずだ。インターネットの悪い点を言えば、こうした商取引の重要な部分を見えなくしてしまった。当社のAI技術は、こうした取引への信頼関係を取り戻し、「リ・ヒューマナイズ(もう一度人間的な取引)」を実現するものと考えている。人間的な取引を取り戻すことで、EC企業が競争力を高めていくことができる。

 ─自社サイトを強化するEC事業者が増えている。
 正しい流れだと思う。かつては、競争力のないEC企業にとってモールは非常に魅力的な手段だった。頼りすぎてしまったことで、没個性的になってしまった。自社が本当に見せたい商品を訴えることができなくなってしまった。差別化できる点は、価格だけになりがちで、小規模なECは埋没してしまう。

 ─昨年8月に新製品「プロスペクター」を市場投入した。
 プッシュマーケティングは手軽で成果が出やすい一方、費用対効果が悪く、消費者に敬遠されがちだ。こうした課題を解決する手段として「プロスペクター」を開発することにした。
 これまでは、閲覧・購買履歴に応じて、その人が興味を持ちそうな商品を提案していた。今回は、商品を購入しそうな人を企業側に提案するものだ。見込み客を絞り込み、メールやSNS、DMで訴求する方法が想定できる。モノを起点にヒトを探し出すというイメージだ。
 メールを多くの人に一斉に送っても興味を示さない人が多いことは分かるはずだ。場合によっては、必要のない商品を「売りつけられた」と思い、企業イメージを悪くする可能性もある。正しいターゲットにリーチすることができ、接点を増やせば、お客さまとの信頼関係を築くことができる。

 ─業務効率の面ではどうか。
 例えば、マーケッターがさまざまな情報を仕入れて、誰に何を売るのかという部分を手作業でやっていた。当社のAI技術を使うことで自動化され、負担が大きく軽減される。顧客の購買履歴さえあれば、ECの事業規模に関わらず導入できる。すでにテストマーケティングを行っているが、導入前後で3割ほど転換率がアップした事例もある。
 今後もAIを駆使したツールを提供することで、EC業界の発展に貢献していきたい。

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