中国EC最大手のアリババグループ(アリババ)が11月1~11日に実施した、年間最大のオンラインセールイベント「独身の日」(ダブルイレブン)の流通総額(GMV)は、前年比8.5%増の5403億元(約9兆6173億円)だった。世界各国から29万ブランドが参加し、過去最大規模の開催となった。中国EC2位の京東集団の流通総額は、同28.5%増の3491億元(約6兆2140万円)となり、2社合計によるGMVは8894億元(約15兆8313億円)となった。前年より成長は鈍化したものの、引き続き高水準で市場規模を拡大している。(人民元の換算レートは1元=17.8円)
■初動強化が加速
アリババグループが主催する「天猫ダブルイレブンショッピングフェスティバル」には、前年から約4万ブランド増となる過去最大の29万ブランドが参加した。そのうち65%が中小企業、工業地帯にある製品メーカー、新ブランドだったという。
日本企業も多く参入する越境ECの分野では、2万9000以上の中国国外ブランドが参加。アリババの越境ECプラットフォーム「Tモール・グローバル」で130万点以上の新商品が発売された。
セールイベント期間は、「独身の日」当日を終点に近年長期化している。「天猫ダブルイレブン」は昨年から、11月1日~11日をGMV集計期間とし、それに伴い20年のGMVは前年比85.2%増と大幅に拡大した。
今年も11月1日~3日と11月11日の2回に分けて決済を実施し、販売機会の拡大と物流負担の集中緩和につなげた。
商品の予約販売自体は10月20日から開始しており、約20日間にわたる長期セールとなっている。
長期化するセールの中での初動の強化は、各メーカーの販売拡大でもポイントとなった。
アリババによると、53のブランドが11月1日の販売開始から半日の売り上げだけで、昨年の20日分の売り上げを上回ったという。その中には、資生堂やシュウ ウエムラといった国内ブランドも含まれている。
京東も今年の「独身の日」商戦では、10月31日の午後8時からプロモーションを本格開始した。
(続きは、「日本ネット経済新聞」11月18日号で)
〈中国「独身の日」〉 大手2社で流通額15.8兆円/アリババには29万ブランドが参加 (2021年11月18日号)
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