〈食品系プラットフォーム〉 出店数、流通額が拡大/モール出店以外の選択肢に

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 食品系のCtoCプラットフォームを提供するネット事業者の業績が順調だ。ECサイト「新潟直送計画」を運営するクーネルワーク(本社新潟県、谷俊介社長)では、19年の年間の合計流通額が前期比35%増の2億3000万円を突破。年間合計発送件数も、同25%増となる5万件を超えた。クックパッドがエリア限定で展開する食品ECサイト「クックパッドマート」は、出店店舗数が約70店舗に拡大した。東京メトロに受け取りロッカーの設置を始めるなど、利便性を高めて着実な会員獲得を図っている。両社に共通するのが、大手モールに出店できないような生産者や小規模事業者を取り込んでいる点。モール出店者にとって新たな選択肢となり得る可能性がある。

■【クーネルワーク「新潟直送計画」】 出店者は「商品の準備と梱包」

 クーネルワークが11年から運営している、新潟県の産直品をネットで販売する「新潟直送計画」が順調に出店者数を増やしている。最大の特徴は、農家などの出店者が行う作業を「商品の準備と梱包」だけに絞り込み、サイトのページ作成や商品撮影、顧客対応、集荷管理業務を代行していることだ。大手モールに出店すると、配送やサイト作り、発送などを自前で対応する必要がある。こうした事務的な作業を代行することで、これまでECや通販で流通してこなかった新潟県内の産直事業者の出店を促進して成長につなげている。
 さらに、自社サイトだけではなく、楽天市場やヤフーショッピング、アマゾンでも展開することで、消費者との接点を広げる。こうした大手モールへの対応も、全てクーネルワークが代行する。現在の受注の割合では楽天市場が54%、自社サイトが27%、ヤフー16%、これにアマゾンが続く。
 出店者のコストは、初回の出店費用のほか、売り上げの手数料が20%となる。分かりやすい仕組みが受け、20年1月現在の店舗数は400店舗を突破した。ユーザーからの年間受注件数は5万件を超えた。

(続きは、「日本ネット経済新聞」3月12日号で)

東京メトロ大手町駅に「マートステーション」を設置

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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