小林製薬 19年1―6月期/通販営業益85%増/インバウンド減少で越境EC伸び

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 小林製薬の19年1―6月期(中間期)の通販売上高は前期比3.1%減の49億5000万円、営業利益は同84.8%増の1億4000万円だった。広告による顧客の獲得効率が悪化したため、広告コストを抑制した結果、大幅に利益率が改善したとしている。中国電子商取引法の影響で、店販でのインバウンド売り上げが減少したが、中国国内での正規ルートでの販売が加速しているという。
 小林製薬では、18年4月に送料無料のサービスを中止したことなどが影響して、既存顧客が減少した。新規顧客の流入も減少したという。18年後半から広告による顧客の獲得効率が悪化していることを受け、19年1―6月期は広告投資を大幅に抑えたとしている。
 小林製薬によると、顧客数は減少しているものの、ロイヤルユーザーに高単価商品の購入や、まとめ買いを促した結果、顧客単価は上昇しているという。前年並みの売上高を維持でき、大幅な利益改善に至ったとしている。
 国内のインバウンド売上高については、1月に施行された中国電子商取引法の影響により、前年同期比で1億円減少した。「熱さまシート」や「アイボン」といった、インバウンドに人気のある商品の店販での売り上げが、最大で12~22%減少したとしている。
 一方で、中国国内EC・越境ECでの同商品群の売り上げは拡大しているという。越境ECは前年同期比39.0%増の3億円、中国国内ECは同44.0%増の6億円になったとしている。小林製薬では、「中国EC法の影響によりヘルスケア商品の売り上げが減少した一方で、日用品の売り上げは増加傾向にある」(広報/IR)としている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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