LINE/AI接客の提供開始/20年にライブコマースも始動

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慎ジュンホCWOがAI技術の強みを説明

慎ジュンホCWOがAI技術の強みを説明

 LINEは6月27日、年次イベント「LINE CONFERENCE2019」を開催した。新ビジョン「Life on LINE」を発表し、LINEがよりユーザーの生活の基盤になるための戦略を明らかにした。EC業界向けには、AI技術を生かした顧客対応(カスタマーサポート=CS)サービスやライブコマースを提供する方針を説明した。
 今後、注力するテーマとして「AI(人工知能)」「OMO(オンラインとオフラインの融合)」「Fintech(金融テクノロジー)」を挙げた。AIスピーカーなどに搭載しているAIアシスタント「Clova」などで培った技術を、外部企業に展開するサービス「LINE BRAIN」を発表した。
 7月からAIを活用したチャットボット技術、文字認識技術、音声認識技術の販売を順次開始する。チャットボットはECサイトの顧客対応に活用でき、音声認識技術はコールセンターなどでの活用を見込む。
 LINEの慎ジュンホ代表取締役CWOは、「LINEとNAVERが組み、1000人以上のAI開発体制を構築している。日本語に特化したチューニングを積み重ねたことで、日本語の音声認識、音声合成、チャットボットに関するAI技術は世界一だと確信している」と説明する。
 電話でAIが音声による自動応答を可能にするサービスの開発も進めている。まずレストランなどの予約受け付けに絞ってサービスを開発している。電話での自動応答サービスの提供時期は未定だが、予約受け付け以外の機能も開発する方針だという。
 AIによる画像認識技術を活用して、次世代型テレビの開発も進めている。スカパーJSATや伊藤忠商事と協業し、スカパーの番組を見ながら、映し出された商品の情報を調べたり、そのまま購入できたりするサービスの開発に着手している。


■ライブ販売は20年中

 ライブ動画配信サービス「LINE LIVE」では20年中にライブコマース機能を提供する。「LINE LIVER」と呼ばれる動画配信者がファンとコミュニケーションを図りながら商品を販売できるようにする。
 7月から有料視聴チャンネル「プレミアムチャンネル」の提供も開始している。「LINE LIVER」が「プレミアムチャンネル」やライブコマースで収益を上げられる仕組みを構築する。


■LINE内で簡易EC

 企業や店舗がLINE内に自社のサービスページを開設できる「LINE Mini app」を来春、リリースすると発表した。自社ページ上では商品やメニューなどの情報を掲載でき、予約受け付けやクーポン発行、ポイントカード機能も盛り込むことができる。
 リアル店舗での利用を想定しているが、自社ページに決済機能を持たせることも可能。ユーザーとつながりを深め、商品を提案し、LINE上で販売を完結することもできる。
 6月27日、ユーザーが主体的に利用する独自のスコアリングサービス「LINE Score」の提供を開始した。ユーザーのサービス利用動向やアンケート回答をもとにAIが独自にスコアリングし、最適なキャンペーンや特典、金融サービスなどを提供する。ブランドバッグのレンタルサービスなど、サブスクリプションサービスも特典として提供を開始している。
 ほかにもLINEで利用できるスタンプを月額240円で使い放題になるサービスや、テイクアウトの予約サービス、カーナビサービスなどの提供を発表した。

新ビジョン「Life on LINE」を発表

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AI技術を外部提供する「LINE BRAIN」をリリース

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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