【インタビュー 〈ネット通販売上高ランキング 第7位〉】 ビックカメラ 秋保徹取締役常務執行役員EC本部長/楽天とのシナジー強化継続

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 ビックカメラの中間期(18年9月―19年2月期)における連結EC売上高は、前期比25%増の517億円だった。今期(19年8月期)のグループ全体のEC売上高は1000億円を見込んでいる。18年には楽天と共同出資をして「楽天ビック」の運営を開始。同年、物流拠点の増床や公式アプリの刷新など積極的にシステム投資を行っている。「楽天ビック」運用から約1年が経過した現在の利用状況や今後の展望を秋保徹取締役常務執行役員EC本部長に聞いた。

 「楽天ビック」は去年の4月からサービスを開始しており、売上高は70%ほど伸長した。30~40代の男性が顧客の中心だったが、楽天経済圏内の20代女性の顧客を順調に取り込めている。
 楽天と相互にコミュニケーションを取ることでまだまだ伸びると考えている。楽天とのシナジー強化は継続していく。
 「楽天ビック」ではもともと白物家電の販売を強化する狙いがあったが、期待値より伸び率が低かった。昨年12月にサイトのリニューアルをして、冷蔵庫や洗濯機が以前より圧倒的に買いやすくなった。
 具体的には、リサイクル券の購入が簡単にできるようになった。白物家電を購入する大半のお客さまは買い替えをする方で、買い替えにはリサイクル券が必要となる。サイズやメーカーによって発行するリサイクル券の種類が異なるため、購入が困難だった。これを「楽天ビック」では、サイト上でメーカーの名前を一覧で表示。該当メーカーを選択することで、必要なリサイクル券が表示できるようシステムを改修した。
 現在楽天市場には多くの事業者が出店しているが、システム面の改善を迅速に行うことができるのは楽天とのシナジーがあってこそ。われわれも楽天側もお客さまに良いサービスを提供したいという思いは一緒だ。
 今後の展望としては、自社ECサイトのリピーター率を増やしたい。ビックカメラ全会員の中で、ECサイトと実店舗の両方を利用する顧客は6~7%ほど。実店舗の認知度は高いが、ECサイトはまだ伸びしろがある。実店舗の利用者はポイントもたまっているため、ECサイトを利用した方がお得に買い物できる。ビックカメラという大きな枠組みの中で、ECサイトの認知度を向上させていきたい。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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