〈コンビニ物流に着目〉 EC商品の返品や店頭受取りで

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 コンビニエンスストアに商品を納品する、既存物流が着目されている。三菱商事は4月1日、ローソンの物流網を使って、レンタル商品やEC商品の返却・返品を受け付けるサービスを都内で開始した。スクロールの子会社で通販支援などを手掛けるスクロール360は昨年11月、ファミリーマートの配送網を利用して、ECサイトで購入した商品をファミマ店頭で受け取れるサービスに着手している。ともに既存の物流網を活用しているため、宅配便より安価な配送料が特徴だ。コンビニ以外の既存物流網も物流手段として注目されそうだ。

■都内100店舗で

 三菱商事が開始したレンタル・EC商品の返却・返品サービスは「スマリSMARI」。都内のローソン約100店舗に返品専用ボックスを設置してサービスを始めた。ローソンに商品納品後のトラックの戻り便を使って返品を回収。EC事業者に届ける流れだ。
 ローソンの物流は常温・冷蔵・冷凍の3種類がある。「スマリ」では冷凍のチルド便を活用。店舗から回収した商品はチルド便の物流センターに持ち込んで仕分けた後、コンビニ物流とは別便でEC事業者の物流センターに配送する。
 「スマリ」の取り扱い対象となっているのは、クルーズショップリスト、ロコンド、エアークローゼットの3社が販売・レンタルする商品。
 3社を対象とした理由について三菱商事は「返品・返却に課題を持ち、テストマーケティングから協力いただいた事業者さんになる。ほかにも声掛けはしているが、『サービスとして整ったら使いたい』というところが多い」(リテイル本部デジタルリテイル開発室オープン物流プロジェクトマネージャー・草場拓也氏)と説明する。
 専用ボックスは、「スマリ」のサービス実施に向け独自に設計・製作した。EC事業者が返品希望者に発行するQRコードを使って、ローソン店頭の専用ボックスで簡単に手続きできる。コンビニのスタッフは介在しないため、返品作業は数十秒で完了する。


■大口4社が準備

 スクロール360が提供している、ファミマ店頭での商品受け取りサービスは「コトリ」。ファミマの物流網を活用し、ユーザーは全国のファミマ1万6500店舗(18年9月末現在)で、ECサイトで購入した商品が受け取れる。
 EC事業者の出荷パターンは2種類だ。

(続きは、「日本ネット経済新聞」4月18日・25日合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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