アマゾンジャパン/書籍の直仕入れ開始/値下げも視野に、年内本格化

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 アマゾンジャパンは1月31日、書籍について、取次を通さず出版社から直接仕入れて販売する「買切り取引」を開始すると発表した。一部ではすでに試験的に実施しているとしている。19年中に本格的に開始する予定だという。ある出版関係者は、「買切り取引では、アマゾンが売れ残った在庫を買い取り安く販売してくれるため、返品される心配もない。雑誌のバックナンバーなどが売れていく可能性があるため、メリットが大きい」と話している。
 「買切り取引」では、アマゾンが出版各社と協議し、出版社から直接本を買い取る。アマゾンは一定期間、指定価格で本を販売。販売が完了したものについては継続的に出版社に発注する。在庫が発生したものに関しては、出版社と売り方を相談していくという。割引価格での販売も視野に入れているようだ。
 出版業界ではこれまで、出版社が取次と言われる流通業者に書籍を委託販売し、取次が全国の各書店へ配本する仕組みだった。書店は在庫を抱えずに書籍を販売することができるが、大量に在庫が発生した場合は、発行から数カ月後に取次から出版社に返品されるケースが多かった。
 今回の買切り取引の開始によって出版社は、返品のリスクを負うことなく書籍を販売できるようになると考えられる。アマゾンジャパンは「返品率低下の一助になればと考えている」(広報)と話している。

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