ゾゾ 〈”ゾゾ離れ”に歯止め〉/有料会員の方針変更も広がる不満

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現在は有料会員サービスの割引価格が大きく表示されている

現在は有料会員サービスの割引価格が大きく表示されている

 ゾゾはファッションECモール「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」で提供している有料会員サービスにおいて、割引価格の表示ルールを変更する。有料会員が販売価格の10%引きで購入できる点は変わらないが、ブランドが希望すれば有料会員以外に割引価格を表示しないようにできる。有料会員サービスに反発して出品を停止したブランドなどに対応する措置だが、表示ルールの変更だけでブランド側が納得するかは疑問。一部のブランドにおいてゾゾの販売戦略への不満は確実に広がっている。

■相次ぐ出品停止
 ゾゾは18年12月25日、ファッションECモール「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」において社会貢献型の有料会員サービス「ZOZOARIGATOメンバーシップ」の提供を開始した。
 会員は年額3000円または月額500円(ともに税抜き)を支払うことで、「おまかせ定期便」以外の全商品を10%引きで購入できる。割引金額を顧客負担で販売店舗に還元したり、指定団体に寄付することも可能だ。
 割引金額はゾゾが負担するが、オンワードホールディングスやヨンドシーホールディングス、三起商行などは有料会員サービスに反発し、「ゾゾタウン」への出品を停止した。自社がコントロールできないところで商品価格が値下げされることに反発しているのだ。
 「ゾゾタウン」に出店しているA社の担当者は、「キャンペーン中に新規入会したユーザーは初月、30%OFFで購入できる。ゾゾにとっては入会促進策として有効だろうが、勝手に大幅な割引を適用されるのは困る」と話す。

■ゾゾだけ安いに懸念
 ゾゾは1月22日、出店者に対して有料会員サービスの割引価格の表示ルールを変更する旨を案内した。
 現在、「ゾゾタウン」では有料会員サービスに登録していないユーザーにも通常価格より大きく会員登録時の割引価格を表示している(画像(2)参照)。ゾゾはこの表示ルールを変更し、有料会員以外には割引価格を非表示にできるようにする。
 表示ルールの変更は希望するブランドの商品にのみ適用する。希望するブランドの表示は2月中旬ごろまでに変更する予定だという。
 「ゾゾタウン」に出店しているB社の担当者は、「リアル店舗や自社ECサイトでの販売がメインのブランドにとって、『ゾゾタウン』だけ安価に買えてしまう事態は避けたいのだろう。ブランド価値の棄損という懸念もあるが、『ゾゾタウン』に顧客が流れてしまうことを警戒しているようだ」と見ている。
 こうした見方が本当であれば、割引価格の表示ルールを変えただけでは、”ゾゾ離れ”に歯止めをかけることはできないだろう。

(続きは、「日本ネット経済新聞」1月24日号で)


オンワードホールディングスは「ゾゾタウン」への出品を停止

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18年は「ゾゾウィーク」などのセール企画が始動

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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