〈BtoB—EC市場〉 ネットの商品仕入れが活況/ネットショップのBtoB参入も

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 BtoB—EC市場が拡大している。経済産業省の統計によると、17年度の市場規模は「BtoC—EC」の約20倍にあたる317兆円に成長。商品を卸売りするメーカーや問屋が、自社の卸売りECサイト(以下BtoB—ECサイト)を立ち上げて販路を拡大する動きが活発化している。一方で、BtoC—ECを手掛けるネットショップも、ネットで仕入れができれば、在庫を持たずに商品を仕入れることができるため、取扱商品を増やしたいというニーズと一致する。ネットショップでBtoB—ECへ新たに参入し販路を広げる企業も出てきており、業容の拡大を目指すネットショップにとって有力な販路となりそうだ。

■アマゾン参入で潮目変わる
 BtoB—EC専用カート「Bカート」を提供する、Dai(ダイ、本社京都府、木脇和政社長)では、導入企業が増え続けている。直近1年間で約100社の企業が新規で導入しており、これまでに400社を超えるなど関心の高さがうかがえる。
 Daiは、全国各地で、メーカーや問屋などの企業を対象にしたセミナーを開催。鵜飼智史執行役員は、BtoB—ECに関心が高まっている背景について「アマゾンがBtoB—ECを始めたことで潮目が変わってきた」と指摘。業務効率化が求められる企業にとって、営業マンによる対面営業や電話・FAXでの受注ではなく、スマホ・PCなどを利用した受注にシフトし、EC化はさらに活発化すると予想する。
 実際に「Bカート」を導入した企業を取材すると、電話やFAXからECへ切り替えを促すことで業務効率を高めている。これと同時に、ネットショップなどの販路開拓にもつなげている。
 子ども向けの輸入玩具や雑貨などを卸売りするキッズ・エンターテインメント(本社愛知県、川口哲生社長)は、これまでFAXだけだった商品の注文にネットを追加。ECサイト経由の注文が売り上げベースで1割、件数ベースでは2割に高まっているという。川口社長は「ECの利便性を取引先に伝えることで、可能な限りECサイトからの注文に誘導していきたい」と話す。

(続きは、「日本ネット経済新聞」12月20日・27日 合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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